このページでは、リストラ(不当解雇の場合)の被害を受けている場合に誰に相談するべきかを紹介しています。加えて、リストラをしなければならない企業はどのような手続きが必要であるかを紹介しています。
また、最もリストラ(不当解雇の場合)の相談先として効果的と言われている弁護士へ依頼した場合の事例や依頼にかかる着手金や成果報酬などを紹介しています。
リストラとは
リストラとは、「restructuring(リストラクチャリング)」の略称で、日本では、経営の合理化を目的に従業員の解雇を意味することが多いです。
本来は、リストラは企業の構造を再構築・整理することを意味するため、「リストラ=解雇」ではありません。
解雇の種類
普通解雇
主に従業員が労働契約に対して、業務を遂行する意思や能力が欠落していることを理由に行われる解雇のことです。
日本では、普通解雇を不当解雇とみなされることも少なくないため、企業側は十分な裏付けを用意する必要があります。
懲戒解雇
企業側が従業員に対して一方的にできる解雇で、従業員が重大な職場規律違反、企業秩序違反などを犯した場合に行われます。
懲戒解雇は、従業員による規律違反が事実と確認され、懲戒処分の中でも最も重い処分として捉えられています。
整理解雇
整理解雇は、リストラの一環として経営改善のため人員整理する際に行われる解雇です。要件を満たす必要があります。
会社側の都合で行う解雇であるため、無条件で解雇することはできません。トラブルが発生しやすい解雇の一つでもあります。
リストラに関わる疑問
リストラと退職勧奨の違いは
退職勧奨は、会社から従業員に対して退職を促し、従業員がそれに応じて退職届を提出することです。従業員が退職に応じない場合、辞めさせることはできません。
リストラは、要件を満たせば従業員を辞めさせることができるため、強制力があるか否かが大きな違いとなります。
リストラとクビの違いは
クビは、一般的には解雇を意味して使われます。解雇にも種類があるため、「クビ」と言っても一言で表すのが難しい単語の一つです。
ただ、あくまでもリストラは、本来、企業の再構築・整理を意味するため、その一環で行われる一つに「クビ」が含まれる位置付けになります。
リストラ(不当解雇の場合)は誰に相談するべきか?
リストラ(不当解雇の場合)は弁護士への相談が効果的
リストラ(不当解雇の場合)を解決するために、「弁護士への相談」は効果的な方法の一つです。法的に対処できるため、弁護士へ依頼すれば解決につながるケースも多いです。
ですが、法的対処のために弁護士へ依頼すると着手金がかかり、相手に示談金・賠償金を支払わせた場合には成功報酬の支払いも発生します。
弁護士へ無料相談することはできる?
近年は、無料で相談できる弁護士事務所も増えており、一定数の弁護士事務所で無料相談が可能です。あくまでもできるのは、相談で着手してもらう場合は有料となります。また、無料相談も「初回30分のみ」など制限を設けていることが多いです。
「弁護士保険ミカタ」、「ベンナビ弁護士保険」、「弁護士保険コモン+」などの弁護士保険に加入すると、付帯サービスとして、弁護士への無料相談サービスが備わっており、より相談しやすくなっています。
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取扱保険会社一覧
リストラ(不当解雇の場合)の相談先
労働組合
無料相談窓口
会社内の労働組合、会社外のいずれでもまずは相談してみましょう。相談後に加入することで団体交渉を依頼できる場合もあります。会社は団体交渉に応じなければならないので、効果的です。
労働基準監督署
相談窓口
労働基準監督署は、労働に関する法律に違反がないかチェックしてくれます。違反があると労働基準監督署が判断した場合は、会社に対してのヒアリング、是正勧告書を交付などを行なってくれます。
労働委員会
無料相談窓口
労働委員会は、各都道府県に設置されており、労働に関するトラブル解決のために相談に乗ってもらうことができます。費用がかかってしまいますが、あっせん制度を利用することも可能です。
リストラをする際の企業側の対応
不当解雇となってしまうケース
下記のようなケースに該当すると、不当解雇とみなされ訴訟になる可能性があります。リストラをしなければならない場合は、該当しないよう気をつけましょう。
- 「労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とした解雇」
- 「業務上の負傷や疾病のための療養期間およびその後30日間、ならびに産前産後休暇の期間およびその後30日間の解雇」
- 「解雇予告をおこなわない解雇」
- 「解雇予告手当を支払わない即時解雇」
- 「労基法やそれにもとづく命令違反を申告した労働者に対する、それを理由にした解雇」
- 「労働組合に加入したことなどを理由とする解雇」
- 「不当労働行為を労働委員会等に申し立てなどをしたことを理由にした解雇」
- 「女性であることを理由とした解雇」
リストラをするために満たさなければならない4つの要件
人員整理の必要性があること
人員整理の必要性において正確な基準はありませんが、客観的に見て「企業が経営危機に陥っており、解雇による人員整理以外に打開の方法がない場合」に認められると言われています。
解雇回避努力義務の履行
企業が経営危機だとしても、直ぐに人員整理してはならず、解雇以外の経営改善施策を行なっている必要があります。残業の削減や新規・中途採用の削減や中止などが当てはまります。
被解雇者選定の合理性
被解雇者の選定も客観的に合理性がなければなりません。過去の勤務実績や会社への貢献を考慮して選定すれば比較的合理性が考慮されやすいと言われています。
手続の妥当性
解雇を行う前に労働者側に十分な説明を行い、協議・交渉をしている必要があります。これらをせずに、解雇してしまうと手続きが無効になる可能性があります。
【リストラ(不当解雇の場合)】弁護士へ相談する場合の費用
- 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
- 着手金:30万円程度
- 成功報酬:獲得金額の10~15%程度
弁護士へ相談すると、その解雇が正当か不当かを判断してもらうことができます。不当解雇の場合は、会社に対して賠償金の支払いや解雇の撤回などを要求してもらうことができます。
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リストラ(不当解雇の場合)の事例【賠償金・示談金】
トラストシステム事件(H19.06.22東京地判)
● 事案の概要
情報処理業界向けのサービス業を営む会社YのシステムエンジニアXが、派遣先で繰り返し行った長時間にわたる電子メールの私的使用や、私的な要員派遣業務のあっせん行為が、服務規律、職務専念義務に違反していたとして解雇されたのは解雇権の濫用であるとして、地位保全と未払賃金の支払等を請求した事例。(労働者勝訴)
● 判示の骨子
Xの私用メールなどについては、Xの義務に違反するところがあるといわざるを得ないが、これを解雇理由として過大に評価することはできず、また、要員の私的あっせん行為についても、そのような事実が窺われるとする余地はあるものの、これを認めるに足りず、このようなYが主張する服務規律違反、職務専念義務違反については、解雇を可能ならしめるほどに重大なものとまでいうことはできない。
また、Yの指摘するXの能力不足についても、上記のとおり、解雇を理由づけるほどまでに能力を欠いているとは認め難い。そして、これらの事情を総合すると、Xの勤務態度、能力につき全く問題がないとはいえないものの、これをもってしても、いまだXを解雇するについて正当な理由があるとまでいうことはできず、本件解雇は、解雇権の濫用として、その効力を生じないものといわざるを得ない。
参照:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/
東洋酸素事件(S54.10.29東京高判)
● 事案の概要
特定の製造部門全面閉鎖に伴う整理解雇につき、就業規則の定める「やむをえない事業の都合によるとき」には当たらないとして従業員の地位の保全等を認めた原判決について、会社がこの取消を求め控訴した事例。(使用者勝訴)
● 判示の骨子
特定の事業部門の閉鎖に伴い当該事業部門に勤務する従業員を解雇するについて、それが「やむを得ない事業の都合」によるものと言い得るためには、第一に、当該事業部門を閉鎖することが企業の合理的運営上やむをえない必要に基づくものと認められる場合であること、第二に、当該事業部門に勤務する従業員を同一又は遠隔でない他の事業場における他の事業部門の同一又は類似職種に充当する余地がない場合、あるいは配置転換を行ってもなお全企業的に見て剰員の発生が避けられない場合であって、解雇が特定事業部門の閉鎖を理由に会社の恣意によってなされるものでないこと、第三に、具体的な解雇対象者の選定が客観的、合理的な基準に基づくものであること、以上の三個の要件を充足することを要し、特段の事情のない限り、それをもって足りるものと解するのが相当である。
参照:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/
まとめ:セクハラ訴訟する場合の弁護士費用
この記事のまとめはこちらです。
- リストラは、日本では、経営の合理化を目的に従業員の解雇を意味することが多いが、本来の意味では企業の再構築・整理を意味する
- リストラ(不当解雇の場合)の相談先としては、「弁護士への相談」が効果的
- パワハラ訴訟で弁護士へ相談する場合の費用は、「相談料:1時間あたり5,000~10,000円」、「着手金:30万円程度」、「成功報酬:獲得金額の10~15%程度」
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