【パワハラ訴訟】弁護士へ相談する場合の費用

このページでは、パワハラの被害を受けている場合、パワハラをしていると疑われている場合、誰に相談するべきかを紹介しています。

また、最もパワハラの相談先として効果的と言われている弁護士へ依頼した場合の事例や依頼にかかる着手金や成果報酬などを紹介しています。

目次

パワハラ被害者はどこに相談するべきか

被害の現状を知ろう【パワハラ被害を受けてから解決に至るのは僅か8.6%程度】

パワハラを受けたことがあるか?

参照:日経 X women

7割の人が職場でパワハラ被害を受けていたことがわかります。

誰からパワハラを受けたか

参照:日経 X women

男性上司から受けるパワハラ被害が圧倒的に多いことがわかります。

パワハラ被害者の相談先

参照:日経 X women

現状では、夫婦間や女性同僚など身近な存在にパワハラ被害の相談をする方が多いということがわかります。

パワハラを相談した相手の反応

参照:日経 X women

専門家に相談していない方も多いことから、共感やアドバイスに止まることが多いようです。

パワハラを相談した結果

参照:日経 X women

ハラスメントが無くなって解決に至ったケースは、僅か8.6%程度。大半は、満足いく解決に至っていないことがわかります。

パワハラを受けている被害者の多くは、身近な存在に相談し対処をしようとする方が多いです。勿論、相談をして事を荒立てない対処法も悪いということはありませんが、実際に解決に至るケースは少ないため、弁護士や公的な機関に相談することも重要です。

パワハラの被害例

話しかけても無視される。仕事をふってもらえない。質問をしても「知りません」と言われる。仕事を押し付けられる。

私だけ会議の連絡が来ない。上司からチーム全員の書類処理を一人でやるよう指示され、毎日それで時間を使い切っていたら、アイデアを出さない、やる気が無いと人事へ話していたらしく評価を下げると言われた。

正規職員である男性上司が転勤してきて、私の職務を担当することになった。未経験で内容が分からないにも拘らず、私より上位であることを誇示するため、情報を教えない、報告しても反応しない、職場のみんなの前で私に詰問するなど、嫌がらせを続けた。非常勤職員であること、女性であることで見下した態度を取るのは他の人から見ても明らかだった。

担当していた仕事を取り上げられ、「仕事をしない奴」と言いふらしていた。状況を理解していた人は問題なかったが、鵜呑みにしてしまった人からは仕事をお願いするのを躊躇されたりした。

自分が提出した仕事を全て否定される。グループメンバーだけの会議の場で大声で叱責。日常生活での無視。仕事中、私以外のメンバーのみを集めて盛り上がろうとする。私が受けた飛び込みの問い合わせ電話を他の人の担当にしてしまう。他部署へ移動後も私からの依頼業務は、絶対に理由をつけて受けない。

参照:日経 X women

パワハラ被害者はどこに相談するべきか?

パワハラ被害を受けているときに、一人で抱え込まないために相談をしてみるのもよいでしょう。相談をして第三者の考えを聞くことで、セクハラを対処できる場合があります。

弁護士への相談

パワハラ被害を解決するために、「弁護士への相談」は効果的な方法の一つです。法的に対処できるため、弁護士へ依頼すれば解決につながるケースも多いです。

ですが、法的対処のために弁護士へ依頼すると着手金がかかり、相手に示談金・賠償金を支払わせた場合には成功報酬の支払いも発生します。

弁護士へ無料相談することはできる?

近年は、無料で相談できる弁護士事務所も増えており、一定数の弁護士事務所で無料相談が可能です。あくまでもできるのは、相談で着手してもらう場合は有料となります。また、無料相談も「初回30分のみ」など制限を設けていることが多いです。

「弁護士保険ミカタ」、「ベンナビ弁護士保険」、「弁護士保険コモン+」などの弁護士保険に加入すると、付帯サービスとして、弁護士への無料相談サービスが備わっており、より相談しやすくなっています。

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警察への相談

基本的には、パワハラは犯罪行為とみなされないため、民事不介入の原則から警察が介入することはありません。

但し、パワハラと同時に暴力被害を受けている場合は、警察に被害届を出すことで警察が介入するケースもあります。

警察が介入するケースとしては暴行罪・傷害罪・名誉棄損罪・侮辱罪などが該当されます。警察の介入を求める場合は、証拠を用意しておくことが推奨されます。

悩みを聞いてもらいたいときの相談先

ここで、紹介する相談先は無料で相談することができるため、一人で問題を抱え込まないための相談先としてはおすすめです。ですが、法的に対処できる機関ではないため、具体的な解決よりも、あくまで相談先として認識しておくとよいでしょう。

日本司法支援センター
「法テラス」

国が運営する法的機関で、365日24時間対応してもらうことができます。条件を満たせば、弁護士への依頼費用を立て替えてもらうこともできます。

法務省
「みんなの人権110番」

人権問題を中心に相談することができます。必要に応じて法務省の職員または人権擁護委員が中立公正な立場で調査を行ってくれます。

厚生労働省
「こころの耳」

働く人のメンタルヘルスに関する悩みを聞いてもらうことができます。電話、メール、SNSを使用して相談をすることができます。

厚生労働省
「総合労働相談コーナー」

職場でのトラブルを主に相談することができます。労働者・事業主の双方の相談対応をしてもらうことができます。

パワハラが起きた際の企業側の対応

パワハラが起きた際の企業側の対応手順

  • 被害者から事情聴取(ヒアリング)
  • 被害者へ意向確認(→被害者から調査希望がない場合は別途対応要)
  • 被害者から調査希望があった場合は事情聴取の方針決定
  • 相手方(行為者)へ事情聴取
  • 緊急措置の対応
  • 相手方(行為者)へ事情聴取(ヒアリング)
  • 第三者へ事情聴取(ヒアリング)
  • 事実確認
  • 事実認定(→パワハラに該当しない場合は別途対応要)
  • 懲戒処分・配置転換等の検討
  • 相談者へのフィードバック
  • 再発防止対策決定・実行

参考:https://www.phpaj.com/

パワハラが起きた際の注意点

  • 通報があった時点では、パワーハラスメント(パワハラ)と決めつけない
  • 相談者の意向を良く確認する
  • 相手方(行為者)や第三者への事情聴取は相談者の意向に従う
  • 相談者が調査を希望しなくても状況が深刻な場合は、調査の必要性を粘り強く説く
  • 相手方(行為者)からの行為が継続している場合は、緊急措置の対応を即座に行う
  • 被害者の精神状態によっては医的支援へつなげる
  • 守秘義務を徹底する

参考:https://www.phpaj.com/

セクハラが冤罪の場合は?

中には、パワハラの実態がないにも関わらずパワハラを疑われてしまうことがあります。パワハラを疑われてしまった場合、下記のケースが該当しない場合は、パワハラが認められないことがあります。

パワハラでトラブルになるケース

  1. 身体的攻撃
  2. 精神的攻撃
  3. 人間関係からの切り離し
  4. 過大な要求
  5. 過小な要求
  6. 個の侵害

パワハラ冤罪の場合は、「味方の人間を探す」、「会社内の専門窓口に相談」などが効果的と言われていますが、最も効果が高いのは「弁護士への相談」です。

個人的な怨みなど悪質なパワハラ告発の場合は、名誉毀損などで訴えることができる場合もあります。正しい対処をするためにも弁護士への相談がおすすめです。

【パワハラ訴訟】弁護士へ相談する場合の費用

  • 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
  • 着手金:10万円~30万円程度
  • 成功報酬:獲得金額の10~15%程度

弁護士へ相談し、依頼をすると会社に対してハラスメント差止要求書を提出してもらうことができます。弁護士に相談し依頼すると他に下記のようなサポートを受けることができます。

  • パワハラ加害者との交渉対応
  • 交渉で解決しない場合の労働審判・裁判への移行
  • 刑事告訴をする場合の手続きサポート

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パワハラ訴訟の事例【賠償金・示談金】

U福祉会事件 名古屋地裁 平成17.4.27

福祉施設の看護師。職員らから、50人の入所者等の医療データを1週間で整理するように言われたが、無理だと口論になった。

その後、原告は、職場の組合を脱退し、地域のユニオンに加入。うつ病罹患のため約1か月休職した。

職員会議で、職場の綱領を否定するという批判を浴びた。

組織ぐるみのいじめだとして、法人の使用者責任と、施設長・副所長、労組役員の連帯責任が問われた。

慰謝料として1000万円を請求。

判決

被告らの行為は、労組を脱退しユニオンに加入した原告を非難・糾弾したばかりか、職員会議の参加者に、同様の発言をするよう、誘導・扇動したものである。

また、法人も、被告らの不法行為について、使用者責任を負う。

原告は、ストレス耐性の弱さ(会議以前にうつ病に罹患している)はあるが、この会議により、精神的疾患(うつ病とは別)に罹患した。

原告の現在の症状に照らせば、職場への復帰は困難。他職場への復職も直ちに可能とは断言できない。

慰謝料500万円。休業補償給付額を除いた賃金・手当の未払額、827万円の請求が認められた。

参照:https://www.mykomon.biz/

トナミ運輸事件 富山地裁 平成17.2.23

原告は昭和45年に入社し、現在も在籍。昭和48年、大手運送会社により最高運賃を一律とし顧客を争奪することを禁止するヤミカルテルが結ばれた。これは独占禁止法に違反する可能性が高いものであった。このことを原告は、読売新聞に告発。さらに、公正取引委員会、関連の労働組合、運輸省、日本消費者連盟、国会議員に告発した。

日本消費者連盟の調査により、この訴えの事実が判明し、運輸省からの厳重警告処分が下された。

原告は、その後研修所へ異動し、6畳程度の個室で1人で勤務し、業務内容も雑用しか与えられなかった。

上司から毎日退職勧奨が行われ、兄も退職を説得するように迫られたり、家に暴力団風の者が訪れ、退職願を書くことを要求することもあった。

こうしたことから、慰謝料等5,400万円の支払と、謝罪文を求めて提訴した。

判決

内部告発には公益性があり、発言力が乏しかった原告が外部の報道機関に告発したことは無理からぬことだった。

会社は人事に裁量権を持っているが、それは合理的な目的の範囲内、法令や公序良俗に反しない限度で行使されるべきものである。このことから雇用契約に付随する義務として、裁量を逸脱した人事権が行使される場合は、会社は債務不履行の責任を負う。

原告に雑務しか行わせず、昇格を停止して賃金格差を発生させたことは、人事権の裁量の範囲を逸脱する違法なものであり、債務不履行による損害賠償責任がある。

以上により、在籍している同期同学歴の者の中で最も昇格の遅い従業員の賃金との差額1,356万7,182円(+延滞損害金)の支払いが命じられた。

参照:https://www.mykomon.biz/

日本郵便逓送事件 京都地裁 平成16.7.15

郵便集配の1時間半の遅延事故を起こした従業員に下車命令をし、業務を与えられないまま、会議室の机に座り、一人きりで反省すること(進退伺の提出を求めたほかは何の指示も与えられなかった)を求めた。

従業員は1か月経過後から神経内科に通院するようになり、不安神経症・不眠症との診断を受けた。

下車後3か月した時点で、会社は別部署での勤務を命じたが、当該従業員はこれを拒否し、会議室で過ごすことが続いた。

会社は反省期間の長期化の理由として、従業員が所定の始末書を乱雑に作成したうえ、話合いの最中に携帯電話の通話のため退出するなど真摯な反省が伺われなかったうえ、黒板に「不当労働行為をただちに会社はやめろ」と書いたことなどを挙げた。

従業員は、会議室で仕事を与えられなかった約3か月間は人格権の侵害だとして損害賠償約370万円を、また、遅延事故を理由とする減給処分(7360円)の無効を訴えた。

判決

会議室での期間のうち、3か月間は人格侵害であるとされ、会社に約103万円の損害賠償が命じられた(諸手当減額分・休業損害・治療費、慰謝料80万円、弁護士費用10万円の合計)。

減給処分については相当であるとした。

参照:https://www.mykomon.biz/

まとめ:セクハラ訴訟する場合の弁護士費用

この記事のまとめはこちらです。

  • パワハラ被害を受けてから解決に至るのは僅か8.6%程度
  • パワハラ被害を解決するために、「弁護士への相談」が効果的
  • パワハラ訴訟で弁護士へ相談する場合の費用は、「相談料:1時間あたり5,000~10,000円」、「着手金:10万円~30万円程度」、「成功報酬:獲得金額の10~15%程度」

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