このページでは、一般的にどのくらいの退職金が支給されているのか、またどれくらいの企業が退職金制度を導入しているのかを紹介しています。
また本来払われるはずの退職金が未払いとなっている場合に具体的にどこに相談するべきかも紹介しています。
また、最も退職金未払いの相談先として効果的と言われている弁護士へ依頼した場合の事例や依頼にかかる着手金や成果報酬なども紹介しています。
退職金未払いにおいての実態とは
退職金についての現状を知ろう【退職金制度を導入している企業は約75%】
企業規模別平均退職給付額(50~99人)[定年退職]
退職金は基本的に「退職一時金」と「企業年金」から構成されており、どちらも勤続年数にともない増加していく傾向にあります。
企業規模別平均退職給付額(50~99人)[会社都合退職]
会社都合退職の場合、勤続年数が長いと支給される金額が定年退職よりも多くなる場合もあります。
常用雇用の従業員1人1カ月当たりの退職給付等の費用
企業規模が大きくなるほど退職金の金額も大きくなる傾向にあるため、1人の1ヶ月あたりの退職給付費用も企業規模に比例して大きくなっています。
受退職給付(一時金・年金)制度の有無、退職給付制度の形態別企業割合
企業規模が大きくなるほど退職金制度は充実していく傾向にあり、従業員1000人以上の企業では90.1%が退職金制度を導入しています。
日本では退職金制度が根付いており、企業全体で約75%がなんらかの退職金制度を導入しており、それに伴って退職金も1000万円を超える場合も存在します。
金額が大きいだけに未払いなどのトラブルに発展した場合は非常に影響が大きいので、トラブルに備えて退職金未払いが発生した際の対処法について正しい知識を持っておきましょう。
退職金がもらえないケースとは?
国家公務員などは国家公務員退職手当法という退職金について規定した法律が存在しますが、民間企業において退職金制度は法的義務がないため、各企業の定める就業規則に基づいて退職金制度がある場合は支給されます。
そのため各企業の定める退職金の支給条件を満たさない場合は退職金は支払われません。
退職金の受け取りを検討している場合は、必ず事前に自分の会社の退職金に関する規定を確認しましょう。
退職金未払いにおいての相談先について
退職金トラブルについて悩んでいるときには、自分だけで抱え込まず第三者に相談をしてみるのも良いでしょう。第三者の考えを聞くことで、より良い解決につながる場合もあります。
弁護士への相談
退職金未払いについて弁護士ができること
適正な退職金を算出し請求できる
労働基準法により退職金制度を導入している場合はその詳細を就業規則に記載することが義務付けられています。弁護士に相談することで依頼者が受け取る権利のある退職金の適性金額を算出して企業側に請求することが出来ます。
退職に関わる手続きの代行依頼も可能
退職金に関するトラブルだけでなく、弁護士であれば退職に関わる手続きの代行も可能です。一般的な退職代行サービスでは法律に関するサポートは非弁行為に当たるため基本的に行うことが出来ません。
弁護士へ無料相談することはできる?
近年は、無料で相談できる弁護士事務所も増えており、一定数の弁護士事務所で無料相談が可能です。あくまでもできるのは、相談で着手してもらう場合は有料となります。また、無料相談も「初回30分のみ」など制限を設けていることが多いです。
「弁護士保険ミカタ」、「ベンナビ弁護士保険」、「弁護士保険コモン+」などの弁護士保険に加入すると、付帯サービスとして、弁護士への無料相談サービスが備わっており、より相談しやすくなっています。
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退職金未払いについて弁護士費用を相手に請求できる?
弁護士費用については勝訴・敗訴に関係なく原則として相手に請求することは出来ません。
敗訴した側が弁護士費用を支払うのは一見正しく感じられますが、「もし負けたら相手の弁護士費用も支払わないといけないのなら…」と訴える側が訴訟を思いとどまってしまう可能性があります。
そのため、法律で定められた訴訟費用については敗訴側の負担が認められる一方で、弁護士費用については原則自己負担となっています。
なお、不法行為があった場合の損害賠償の訴訟においては相手側に弁護士費用も請求出来る場合があります。
ですがその場合も弁護士費用全額を請求できるわけではなく、損害賠償額の一割程度(損害賠償として100万円が認めれれたら10万円分)を限度に認められることになります。
弁護士以外の相談先
ここで、紹介する相談先は無料で相談することができるため、弁護士に相談する前の相談先としてもお勧めです。
総合労働相談コーナー
各都道府県労働局・全国の労働基準監督署内に設置されており、あらゆる労働問題を専門の相談員が面談か電話で対応してくれます。
労働組合
一般に「労働者が団結して賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体」とされ、会社に対して団体交渉を申し入れてくれる可能性があります。
なお、企業側に設置義務はないため、会社に労働組合が存在しない場合は活用することが出来ません。
労働基準監督署
厚生労働省所管で、労働基準法・労働契約法・労働組合法などの労働関係の法令を会社が遵守しているか監督する機関です。
法テラス
法務省が所管する独立行政法人で、365日24時間対応してもらうことができます。条件を満たせば、弁護士への依頼費用を立て替えてもらうこともできます。
退職金未払いについて相談するならどっちがいい?【弁護士と労働基準監督署】
弁護士
こんなときは弁護士に相談しよう
個人的な労働に関する問題を解決したい
(ex.未払いの賃金を請求したい)
弁護士への相談 特徴
費用は発生するが積極的に調査・解決に動いてくれる
弁護士に相談する場合の流れ
- 弁護士へ相談
- 弁護士が必要な証拠を集める
- 弁護士が会社に対して損害賠償を請求
労働基準監督署
こんなときは労基に相談しよう
会社の法令違反を是正させたい
労基への相談 特徴
実際に会社に立ち入り調査や是正勧告を行ってくれる
労基に相談する場合の流れ
- 労働基準監督署へ相談
- 労働基準監督署が会社に立ち入り調査や事情聴取を行う
- 法令違反があれば会社に対して是正勧告や改善指導を行う
参照:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/131227-1.pdf
退職金未払いについて弁護士に相談して依頼する際の流れ
請求する退職金を算出する
企業側で規定されている雇用契約書や就業規則などを調べ、そもそも退職金の支払条件に当てはまっているのかを確認し、そのうえで適切な退職金の額を算出します。
適切な退職金を算出をするための材料
- 企業側で規定されている雇用契約書や就業規則など
- 勤続年数がわかる書面
- 退職金の支給を受けたことのある他の従業員の証言など
内容証明郵便の送付
退職金請求の内容証明郵便は自身でも送付することはできますが、弁護士に送付してもらうことで相手にこちら側の真剣度を伝えたり、心理的なプレッシャーをかけたりすることができます。
内容証明郵便は、「いつ いかなる内容の文書を誰から誰宛てに差し出されたか」を郵便局が証明してくれるサービスです。訴訟など法的措置を行う際の証拠の一つとして活用することができます。
会社と示談交渉および民事調停を行う
示談交渉の内容の例
- 退職金支払いの可否
- 退職金の計算方法の調整
民事調停が行われるケース
- 示談交渉で解決しない場合
- 譲歩しながら和解の道を目指す場合
民事訴訟を行う(民事調停で解決しない場合)
民事調停で解決しない場合は、民事訴訟を起こします。
また、退職金トラブル等の場合、事業主と労働者の労働関係のトラブルの解決に特化した裁判所の紛争解決制度である「労働審判」を活用することも可能です。
労働審判は民事訴訟と比べて申立から解決までの期間が短いのが大きな特徴です。
民事訴訟では、裁判官が双方の言い分を聞きながら証拠を調べ判決を言い渡します。加害者側が敗訴した場合は、基本的に損害賠償の請求額を支払わなければなりません。
【退職金未払い】弁護士へ相談する場合の費用
- 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
- 着手金:10万円~30万円程度
- 成功報酬:経済的利益の10~20%程度
加入したら、もう訴訟を諦める
必要がなくなる。
弁護士保険 比較
取扱保険会社一覧
退職金未払いに関連するついてよくある質問
退職金を払わないと言われたらどうすればいいですか?
その会社の就業規則などで退職金を支給される権利があるのに退職金が払われない場合は、労働基準法違反になります。会社や総合労働相談センター等に相談して、それでも解決しない場合は弁護士を雇うのも効果的な手段の1つです。
退職金がない会社はなぜでしょうか?
そもそも退職金制度は法的な義務が存在しないため、様々な理由により企業側が「退職金制度を設けない」と決定しても問題はありません。また外資系企業では退職金制度がないのが一般的です。
懲戒解雇になってしまいました。もう退職金はもらえないでしょうか?
就業規則などに「懲戒解雇の場合は退職金は支給しない」などと記載されていない場合は、退職金を受け取ることは可能です。また、上記のように記載されている場合でも「退職金の一部を支給すべき」という判決が出たこともあるので、一度弁護士に相談してみると良いでしょう。
まとめ:退職金未払いで弁護士へ相談する場合の費用
この記事のまとめはこちらです。
- 日本においては約75%の企業が何らかの退職金制度を導入しているが法的義務があるわけではないため、各企業の就業規則などに記載された退職金制度を正しく理解しておく必要がある。
- 退職金未払いの相談先としては「総合労働相談センター」「労働基準監督署」などが存在するが、迅速に解決するには「弁護士への相談」が効果的。
- 退職金未払いで弁護士へ相談する場合の費用は、「相談料:1時間あたり5,000~10,000円」、「着手金:10万円~30万円程度」、「成功報酬:経済的利益の10~20%程度」程度になることが多い。
弁護士への相談を検討している場合は、弁護士保険の加入がおすすめです。下記から、弁護士保険の比較することができます。