このページでは、解雇を実施した企業の割合や解雇理由の統計について解説しており、不当に解雇が行われた際に具体的にどこに相談するべきかを紹介しています。
また、不当解雇の相談先として最も効果的と言われている弁護士へ依頼した場合の事例や依頼にかかる着手金や成果報酬なども紹介しています。
不当解雇においての実態とは
不当解雇についての現状を知ろう【5年間で約25%の企業が解雇経験あり】
離職理由別離職者の割合
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/dl/gaikyou.pdf
離職理由として最も多いのが「結婚・出産・育児・介護・看護を除いた個人的理由」で71.7%を占め、次いで「契約期間の満了」が13.0%で2番目となっています。
正規従業員の解雇の有無
参照:https://www.jil.go.jp/kokunai/reports/report003.html
普通解雇または整理解雇をした企業の割合は約25%で、正規従業員規模が増えると解雇の実施の割合も高まる傾向にあります。
普通解雇を実施した理由
参照:https://www.jil.go.jp/kokunai/reports/report003.html
普通解雇を実施した理由として最も多かったのが「本人の非行」で、正規従業員規模が増えるほど「本人の非行」の割合が増加し「仕事に必要な能力の欠如」が減少しています。
解雇した従業員との間に紛争があった場合の解決の状況
参照:https://www.jil.go.jp/kokunai/reports/report003.html
解雇した従業員との紛争時の解決方法は「本人との話し合いでの解決」が約50%で最も多いものの、労働局等での解決や裁判などの割合も決して低くありません。
企業が解雇を実施している割合は約25%ほどで、そのうち普通解雇であれば15.0%、整理解雇であれば10.2%の割合で解雇した従業員と会社との紛争が発生しています。
労働契約法において解雇は「客観的に合理的理由があり社会通念上相当である」と認められる場合でなければ行えないため、会社から一方的に告げられた解雇が不当解雇に当たる可能性もあります。気になる場合は弁護士や公的な機関に相談することも重要です。
不当解雇においての相談先について
不当解雇について悩んでいるときには、自分だけで抱え込まず第三者に相談をしてみるのも良いでしょう。第三者の考えを聞くことで、より良い解決につながる場合もあります。
弁護士への相談
不当解雇について弁護士ができること
解雇の正当性があるか判断してもらえる
解雇は労働契約法により濫用を制限されているものの内容は抽象的です。弁護士であれば過去の判例などと照らし合わせてその解雇に正当性があるのかを判断してくれます。
会社に対して本気で解決する意思表示になる
弁護士を雇うことで会社に対して従業員側の真剣度が伝わるとともに、心理的なプレッシャーをかけて交渉を有利に進められる可能性も高まります。
弁護士へ無料相談することはできる?
近年は、無料で相談できる弁護士事務所も増えており、一定数の弁護士事務所で無料相談が可能です。あくまでもできるのは、相談で着手してもらう場合は有料となります。また、無料相談も「初回30分のみ」など制限を設けていることが多いです。
「弁護士保険ミカタ」、「ベンナビ弁護士保険」、「弁護士保険コモン+」などの弁護士保険に加入すると、付帯サービスとして、弁護士への無料相談サービスが備わっており、より相談しやすくなっています。
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不当解雇について弁護士費用を相手に請求できる?
弁護士費用については勝訴・敗訴に関係なく原則として相手に請求することは出来ません。
敗訴した側が弁護士費用を支払うのは一見正しく感じられますが、「もし負けたら相手の弁護士費用も支払わないといけないのなら…」と訴える側が訴訟を思いとどまってしまう可能性があります。
そのため、法律で定められた訴訟費用については敗訴側の負担が認められる一方で、弁護士費用については原則自己負担となっています。
なお、不法行為があった場合の損害賠償の訴訟においては相手側に弁護士費用も請求出来る場合があります。
ですがその場合も弁護士費用全額を請求できるわけではなく、損害賠償額の一割程度(慰謝料として100万円が認めれれたら10万円分)を限度に認められることになります。
弁護士以外の相談先
ここで、紹介する相談先は無料で相談することができるため、弁護士に相談する前の相談先としてもおすすめです。
総合労働相談コーナー
各都道府県労働局・全国の労働基準監督署内に設置されており、あらゆる労働問題を専門の相談員が面談か電話で対応してくれます。
労働組合
一般に「労働者が団結して賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体」とされ、会社に対して団体交渉を申し入れてくれる可能性があります。
なお、企業側に設置義務はないため、会社に労働組合が存在しない場合は活用することが出来ません。
労働基準監督署
厚生労働省所管で、労働基準法・労働契約法・労働組合法などの労働関係の法令を会社が遵守しているか監督する機関です。
社会保険労務士
社会保険労務士法に基づいた国家資格者で、労働トラブルが発生した際にADR(裁判外紛争解決手続)での解決を目指す場合のサポートを依頼可能です。
不当解雇について相談するならどっちがいい?【弁護士と労働基準監督署】
弁護士
こんなときは弁護士に相談しよう
個人的な労働に関する問題を解決したい
(ex.慰謝料を請求したい)
弁護士への相談 特徴
費用は発生するが積極的に調査・解決に動いてくれる
弁護士に相談する場合の流れ
- 弁護士へ相談
- 弁護士が必要な証拠を集める
- 弁護士が会社に対して損害賠償を請求
労働基準監督署
こんなときは労基に相談しよう
会社の法令違反を是正させたい
労基への相談 特徴
実際に会社に立ち入り調査や是正勧告を行ってくれる
労基に相談する場合の流れ
- 労働基準監督署へ相談
- 労働基準監督署が会社に立ち入り調査や事情聴取を行う
- 法令違反があれば会社に対して是正勧告や改善指導を行う
参照:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/131227-1.pdf
不当解雇について弁護士に相談して依頼する際の流れ
損害賠償請求する際の金額を決める
請求額には相場や計算式が存在するため、弁護士と相談しながら損害賠償の請求額を決めます。
損害賠償請求の設定をするための計算材料
- 不当解雇期間中の未払賃金(=バックペイ)
- 不当解雇による精神的苦痛の慰謝料
不当解雇の証拠集め
弁護士と連携しながら不当解雇の事実確認や証拠集めを行います。
調査内容の例
- 会社の解雇に関する規則の確認
雇用契約書・就業規則・解雇理由証明書などの確認 - 客観的証拠の収集
解雇に関するやり取りをしたメールの文面、ボイスレコーダーによる録音など
なお、もしもまだ在職中の場合は、解雇を迫られたとしても即答せずに現状維持の状態のまま弁護士に相談することをお勧めします。
内容証明郵便の送付
不当解雇を証明する内容証明郵便は自身でも送付することはできますが、弁護士に送付してもらうことで相手にこちら側の真剣度を伝えたり、心理的なプレッシャーをかけたりすることができます。
内容証明郵便は、「いつ いかなる内容の文書を誰から誰宛てに差し出されたか」を郵便局が証明してくれるサービスです。訴訟など法的措置を行う際の証拠の一つとして活用することができます。
会社と示談交渉および民事調停を行う
示談交渉の内容の例
- 不当解雇と認定するかどうか
- 未払賃金や慰謝料の計算
民事調停が行われるケース
- 示談交渉で解決しない場合
- 譲歩しながら和解の道を目指す場合
民事訴訟を行う(民事調停で解決しない場合)
民事調停で解決しない場合は、民事訴訟を起こします。
民事訴訟では、裁判官が双方の言い分を聞きながら証拠を調べ判決を言い渡します。加害者側が敗訴した場合は、基本的に損害賠償の請求額を支払わなければなりません。
【不当解雇】弁護士へ相談する場合の費用
- 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
- 着手金:20~30万円程度
- 成功報酬:獲得金額の10~20%程度
不当解雇に関連するついてよくある質問
会社が人をクビにできる条件は?
労働契約法では「解雇は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする」とだけ規定されているため、解雇の正当性はケース毎に考える必要があります。なお、その会社の就業規則で定められた解雇事由に該当する場合は解雇になる可能性は高いと言えます。
いきなりクビにするのは違法ですか?
企業が労働者を解雇する場合は、少なくとも30日以上前にその予告をしなければならないと労働基準法で定められています。そのため、30日以上前の解雇予告なしに即日解雇することは違法です。
普通解雇は会社都合になる?
普通解雇は労働者側に何かしら正当な解雇理由があった場合に行われますが、会社都合の解雇として扱われます。また、懲戒解雇であっても会社都合の解雇として扱われる場合があります。
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まとめ:不当解雇で弁護士へ相談する場合の費用
この記事のまとめはこちらです。
- 企業が解雇を実施している割合は約25%ほどで、そのうち普通解雇15.0%、整理解雇10.2%の割合で解雇した従業員と会社との紛争が発生しており、その約半数は両者の話し合いによって解決している。
- 不当解雇の相談先としては「総合労働相談センター」「労働基準監督署」などが存在するが、不当解雇は労働基準法以外の法律も多く関わるため迅速に解決するには「弁護士への相談」が効果的。
- 不当解雇で弁護士へ相談する場合の費用は、「相談料:1時間あたり5,000~10,000円」、「着手金:20~30万円程度」、「成功報酬:獲得金額の10~20%程度」程度になることが多い。
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