このページでは、労働契約法とはどのような法律であるか、労働基準法や雇用契約との違いについても説明しています。
また、労働契約法に違反している場合に使用者、労働者それぞれどのような対処をするべきかについても紹介しています。
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労働契約法とは
ここからは、労働契約法とはどのような法律か、他にどのような内容が記載されているかポイントを絞って紹介していきます。
労働契約法の概要
労働契約法は、使用者(賃金を支払う者)と労働者(労働し賃金を受け取る者)の間で結ばれる契約が適切な労働条件となるよう、事項が定められています。
適切な労働条件とは、「労働条件の決定、変更が合理的考えに基づいていること」、「労働者の保護が図られていること」、「使用者が安定的に資せること」などが挙げられます。
労働契約法は主に3つの事項に触れている
こちらでは、労働契約法に規定されている主要な3つの事項について紹介していきます。
労働契約の成立・変更に関する事項
労働契約の成立・変更の事項では、「労働契約はどのようにして成立するか」、「労働契約を変更するための条件」について主に触れています。
第六条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128/
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
上記の他にも、労働契約の成立に関わるものとして、労働契約の内容についての記載で「就業規則によって定められている労働条件を用いるケース」、もしくは「就業規則以外の内容の労働条件を用いるケース」などがあります。
第八条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128/
労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。
上記の他にも、労働契約の変更に関わるものとして、労働者および使用者の合意がない場合に労働条件を変更する際の条件などの記載もあります。
労働契約の継続・終了に関する事項
労働条件の継続・終了に関する事項では、主に使用者が命じる「出向」、「懲戒」、「解雇」について無効となるケースについて規定されています。
基本的には、使用者から命じられた内容が「権利を濫用したものである」、「客観的、合理的な内容に基づいていない」などの場合は、無効になるということが規定されています。
第十四条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128/
使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。
第十五条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128/
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
第十六条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128/
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
有期の労働契約に関する事項
有期の労働契約に関する事項では、主に、有期契約における労働者が契約更新を求めた場合に、同一の労働条件で更新が認められるケースについて規定されています。
下記のようなケースでは、同一の労働条件における更新の申込みを、使用者が承諾したものとしてみなされます。
条件
- 契約期間が満了する日までの間に労働者が更新の申込みをしていること
- 使用者が当該申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない
- 下記の2つのケースのいずれかに該当している
- 有期労働契約が過去に反復して更新があり、更新をしないことが「無期限の労働契約の終了」と社会通念上同視できる
- 有期労働契約終了時点において、「該当する有期労働契約が更新されるものと期待できる状態」であること。(合理的な理由が必要)
労働契約書がない場合は違法となるのか(労働契約法 第4条)
労働契約法に基づいて考えると、労働契約書がない場合でも直ちに違法となるわけではありません。労働契約法の記載では、「できる限り」という記載があります。
第四条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128/
使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
2 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。
ですが、労働契約書がないことによるリスクはあるため、労働契約書は書面化しておく方がよいと言えます。リスクとしては、「書面がないことによって水掛け論となりトラブルが長引く」ことなどが挙げられます。
また、労働基準法に基づいて考えた場合においては、労働条件を通知しなければならず、これは書面化が義務付けられています。労働契約書と労働条件通知書は兼用することも可能です。
労働契約法と労働基準法の違い
労働契約法と労働基準法の違いとして、「私法と公法の違い」、またそのことに基づいて「罰則があるか、ないか」という点などが挙げられます。
労働契約法
私法であり、契約の締結・変更・終了に関するルールを明確化することにより、それらを円滑にすることが目的。罰則はなし。
労働基準法
公法であり、最低限の労働基準を定め、労働者の生活や権利を保護することが目的。罰則はあり。
労働契約と雇用契約の違い
労働契約と雇用契約の大きな違いとしては、それらが定義されている法律が異なります。また、これらは同列のものではないため、比較することが難しい関係でもあります。
労働契約
労働契約法や労働基準法によって定義されている。
雇用契約
民法によって定義されている。
「民法」と「労働契約法および労働基準法」は、「一般法」と「特別法」の関係です。民法のみではカバーできていない内容を「労働契約法および労働基準法」がカバーしています。
労働契約法に違反しているかもしれない場合の対応方法
労働契約法の内容に違反しているかもしれない場合の対応について、労働者の視点、使用者の視点に分けて紹介していきます。
労働契約法に違反している場合
労働契約法に違反しているかもしれない場合、上記でも示したように罰則はありませんが、労働基準法に基づく罰則はあるため、初めに使用者と労働者ともに労働基準法に基づいているか否かを確認しましょう。
使用者側が労働契約法に違反している場合、労働基準法の内容にも違反しているか確認しましょう。労働基準法に違反していなくともケースによっては損害賠償を請求できる場合や内容改める主張ができる場合があるため、弁護士など第三者への相談をしてみましょう。
労働者側が労働契約法を違反していたとしても違約金や賠償金を請求することは困難です。水掛け論になるリスクがあるため、ルールや書面化などを見直すことが必要です。
労働契約法に違反しているかもしれない場合の相談先
総合労働相談コーナーへ相談
労働契約法について違反しているか否か判断がつかない場合、もしくは労働契約法の内容に違反していたとしてもどのように対処してよいか判断できない場合に相談してみるとよいでしょう。無料で相談することが可能です。
弁護士への相談
労働契約法に関して違反しているか否かの判断を確認することが可能です。また、違反していた場合、罰則はないことから別の法律に違反していないか探すことへの依頼も可能です。
直面している労働契約問題の重要度や緊急性に合わせて相談先を判断することが必要です。
初めは、労働相談コーナーなど国の機関を利用して基本的な見解や対処法などを相談するとよいでしょう。個人での問題解決が難しいケースもあるため、その際は弁護士などへの相談も効果的な方法です。
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労働契約に対して弁護士へ相談する場合の費用
下記の料金は、労働契約法に違反しており、その内容が別の法律違反を起こしていないか探した上で、損害賠償請求をすることを想定した場合の費用です。
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弁護士費用が払えない場合は
労使のトラブルにおいて、弁護士に依頼する場合は相談料・着手金・報酬金を支払います。
しかし、弁護士へ支払う費用は高額になることも多く、一括で用意するのが難しいこともあるでしょう。
ここでは、弁護士費用が払えない場合の対処法を紹介していきます。
分割払いや後払いできる法律事務所の利用
前提として、弁護士に支払う報酬金を無料にすることは難しいですが、分割払いや後払いに対応可能な法律事務所はいくつかあります。
また、依頼する事件内容によって分割払いの対応をしてくれる法律事務所もあるようです。まずは問い合わせだけでもしてみましょう。
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まとめ:過労死とは?労災認定基準は?弁護士へ依頼すると?件数・事例を紹介
この記事のまとめはこちらです。
- 労働契約法は、使用者(賃金を支払う者)と労働者(労働し賃金を受け取る者)の間で結ばれる契約が適切な労働条件となるよう定められたもの。
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