親や親族が亡くなった際に相続するものとして「金」などの貴金属類はよく挙げられるのではないでしょうか。
高価なアクセサリーや貴金属類を相続することになった場合、相続税の仕組みはどうなっているのか、どのような方法で価値を計算するのか、相続にあたり名義変更などは必要なのか、など不明点が多くあると思います。
このページでは「金」を具体例として、貴金属類を相続することになった場合どのような対応が必要か、対応を弁護士などの専門家に依頼した場合にどれくらの費用がかかるかなどを紹介しています。
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金の相続は課税対象になります
故人の財産を相続する場合、財産のほとんどは相続税の対象となります。
金も財産の一つとされるため相続税を計算する際の対象となります。
金以外のこれらも相続の際に課税対象になります。

不動産・土地

家

株

車
相続税がかからないものとしては以下が挙げられます。
- 墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
- 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で、公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
- 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人またはその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
- 相続によって取得したとみなされる生命保険金等のうち、500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
- 相続によって取得したとみなされる退職手当金等のうち、500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
- 個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの
- 相続や遺贈によって取得した財産で、相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm
相続税の対象となる金の種類
貴金属はインゴットのような塊から、アクセサリーやジュエリーに使用されるもの、金融商品のように実物は届かず積み立てられる「純金積立」など様々な形のものが存在しますが、いずれも相続税の対象となります。
- 金地金(インゴット・ゴールドバー)
- 金貨
- 純金積立
- 装飾品・美術品
- 祭具(日常礼拝に使用しないもの)
祭具のうち、例えば「寺社などで日常的に礼拝している純金製の仏像」などは、例外的に相続税の対象とはなりません。
基本的な相続方法の種類について
相続の方法は主に「遺産分割協議による相続」「法定相続分による相続」「遺言書による相続」の3つに分類することができます。
遺産分割協議による相続
相続人全員で協議をして遺産の分割方法を決める相続です。
決まった手続き方法や協議の期限があるわけではありませんが、親族間の関係を悪化させないためや、遺産分割協議書を作成するために弁護士などの専門家を雇う場合も珍しくありません。
遺産分割協議の詳細について紹介しています。

法定相続分による相続
「民法で定められた遺産分割の目安となる割合」である法定相続分に基づいて行う相続です。
相続人全員が「法定相続分に基づく相続」に了承した場合や、逆に遺産分割協議で話し合いがまとまらず調停や審判になった場合に利用されます。
遺産相続における法定相続人と法定相続分についての詳細を紹介しています。

遺言書による相続
故人が予め作成した遺言書に従って行われる相続です。
遺言書には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれが法律により方式が厳格に定められているため、その方式に従っていない遺言書は全て無効となります。
法的に有効な遺言書が存在する場合、その内容は「遺産分割協議による相続」や「法定相続分による相続」に優先されます。
正式な遺言書の書き方や、遺言書がある場合の相続の流れなどを紹介しています。

金を相続したことを隠すとバレる?バレない?
金の相続はバレるので隠すことはやめましょう
金は価値が高い財産のためしばしば脱税に利用されてきたため、税務署側も脱税に目を光らせているおり隠し切ることは非常に難しいです。
実際に金の相続に際して発生した相続税を税務署に申告せずそれが発覚した場合は、不足していた相続税以外に「過少申告加算税」「無申告加算税」「重加算税」「延滞税」などの追徴課税を支払わなければいけない可能性もあります。
金の相続がバレる理由
実際に金に関しては脱税を防ぐための制度が複数存在するため、痕跡を残さず隠して保管することは非常に難しいと言えます。
- 購入時の記録:宝石・貴金属等取扱事業者は法律により貴金属の取引履歴は7年間保存する義務があります。
- 売却時の記録:金の売却額が200万円を超える場合は買取業者は税務署に支払調書する義務があります。200万円以下であっても古物営業法により1万円以上の取引には本人確認が必要となります。
- KSKシステム:納税者の申告に関する全情報を一元的に管理する国税庁のシステムで、システム上で怪しい納税者は税務調査の対象となります。
金の相続における時効について
金の相続に限らず、相続税の時効は申告期限(相続が発生したと認識してから10ヶ月後)から5年で、脱税の意図があったと判断されるような悪質な場合は7年に延長されます。
追徴課税は申告をしなかった期間が長ければ長いほど増えていくので、相続税の時効を待つ行為は非常にリスクが高いと言えます。
金の相続にかかる税金はいくら?
前提として、相続する金の評価額を算出しただけでは最終的に相続税がいくらになるかを知ることはできません。
なぜなら相続税は不動産・車・株式・家財道具などといった故人の全ての財産の評価額を算出し、そこから基礎控除などを差し引いて求められます。
課税対象の遺産総額 = 「財産」ー「基礎控除」ー「非課税の財産」ー「債務控除」
基礎控除 = 3,000万円+(600万円 × 法定相続人の数)
相続税の説明の他に、相続税のシミュレーション方法なども紹介しています。

相続における金や金が用いられた装飾品などの評価額は「被相続人が亡くなった日の業者買取価格」を基に「1gあたりの業者買取価格 × 重量」で算出されます。
昨今は金の価格が高騰している影響で、購入時の価格よりも買取価格が高くなっている場合も珍しくありません。
相続した金を売却した際に発生する税金はいくら?
実際に金を相続し、その金を売却した場合には譲渡所得として所得税が発生します。
譲渡所得の所得税は所得期間(相続の場合は「被相続人が購入してから売却するまでの期間」)の長さによって計算が異なるので注意が必要です。
所有期間が5年以内 | 売却価額ー(取得価額+売却費用)ー特別控除50万円 |
所有期間が5年を超える | 売却価額ー(取得価額+売却費用)ー特別控除50万円 ÷2 |
金の相続手続きと必要書類(名義変更含む)
まずは金などの貴金属を含む故人の全ての財産を洗い出しましょう。
この際に財産の把握漏れが起こってしまうと意図せず相続税の申告ミスに繋がってしまう場合があります。
また、故人の財産は遺産分割協議などを経て各相続人に分配されるまでは相続人全員の共同財産となり、売却や処分する場合も相続人全員の同意が必要になります。
勝手に売却してしまうと、最悪の場合は他の相続人から損害賠償請求をされる可能性もあるので注意しましょう。
金も含めて故人の遺産をどのように分割するのかの協議を相続人全員で行う必要があり、場合によっては協議の内容を遺産分割協議書にまとめます。
共同財産にしておくことで相続人の間でのトラブルが懸念される場合は、売却し現金化をして分配することも検討しましょう。
貴金属買取業者などによっては金融商品のように「実物は届かず毎月一定額の貴金属を積み立てる」というサービスを実施しています。
故人がこのようなサービスを契約していた場合、契約していた会社に連絡を取って個別に名義変更や現金化を行う必要があります。
金の相続手続きにかかる費用【弁護士と司法書士】
金の相続手続きは弁護士や司法書士といった専門家に対応を一任することも可能です。
遺産相続について、金以外のもの含めて弁護士費用等を紹介しています。

金の相続において弁護士にかかる費用
金の相続において弁護士に依頼できる内容
- 遺言状の検認
- 遺産分割協議書の作成
- 遺産分割調停・審判になった場合の弁護
金の相続において弁護士にかかる費用の詳細
相談料 | 5,000~10,000円 / 1時間(無料相談の事務所あり) |
報酬金 | 10万円~30万円程度 |
報酬金 | 得られた経済的利益の10~20% |
実費 | 数万円 |
相続に強い弁護士の探し方について紹介しています。

金の相続において司法書士にかかる費用
金の相続において司法書士に依頼できる内容
- 遺言状の検認
- 遺産分割協議書の作成
金の相続において司法書士にかかる費用の詳細
遺言状の検認 | 5〜10万円 |
遺産分割協議書の作成 | 5〜10万円 |
金の相続手続きは自分でできる?
金などの貴金属類の相続だけで考えると行政上の特別な手続きなどは必要ないので、「金の相続方法だけを知りたい」という場合は特に弁護士や司法書士などの専門家に相談する必要はありません。
ですが、相続にあたり相続人同士でトラブルに発展しそうな場合や、実際に相続税が発生して申告に不安がある場合は弁護士などの専門家に相談するのは得策です。
金の相続手続きを自分で行う際の注意点
相続の手続き及びそれ以外のことで時間がかかる
実際の遺産相続では金の相続以外にも、死亡届の提出・葬式の手続き・その他の財産の相続対応など様々な手続きを行う必要があります。
弁護士・司法書士などの専門家は相続に関する業務をまとめて一任でき負担を大幅に減らすことができるため一度検討してみても良いでしょう。
相続の手続きで漏れやミスが発生する可能性がある
相続は人生でも何度も経験するものではないため、慣れていないとどうしてもミスが発生する可能性があります。
弁護士・司法書士などの専門家に依頼することで、そうした手続き上のミスを無くす事が可能です。
金の相続において弁護士費用が払えない場合は
金の相続など相続において相続人の間で話し合いが円滑に進まない場合、弁護士を雇って話し合いをまとめてもらうことは有効な手段の一つと言えます。
しかし、弁護士へ支払う費用は高額になることも多く、一括で用意するのが難しいこともあるでしょう。
ここでは、弁護士費用が払えない場合の対処法を紹介していきます。
分割払いや後払いできる法律事務所の利用
前提として、弁護士に支払う報酬金を無料にすることは難しいですが、分割払いや後払いに対応可能な法律事務所はいくつかあります。
また、依頼する事件内容によって分割払いの対応をしてくれる法律事務所もあるようです。まずは問い合わせだけでもしてみましょう。
日弁連委託援助を受ける
日弁連による委託法律援助とは、日弁連から法テラスに委託された事業の一つで要件を満たした場合に弁護士費用の援助(原則交付)を行うものです。
日弁連の委託法律援助は下記で紹介する事業に該当していることに加えて経済的余裕がない、かつ弁護士に依頼する必要性・相当性がある場合に援助されます。
- 刑事被疑者弁護援助
- 少年保護事件付添援助
- 犯罪被害者法律援助
- 難民認定に関する法律援助
- 外国人に対する法律援助
- 子どもに対する法律援助
- 精神障害者・心神喪失者等医療観察法法律援助
- 高齢者、障害者及びホームレスに対する法律援助
弁護士保険に加入しておく
弁護士保険とは、法的トラブルが発生した際の弁護士費用を補償してもらえるものです。
弁護士保険によって補償されるのは主に法律相談料、着手金、報酬金です。(保険会社によって異なることもある)
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弁護士保険に加入すると費用の報酬金が補償される
上記でも少し触れましたが、もし弁護士保険に加入していればトラブルの際の弁護士費用が報酬金含めて補償されます。
補償されるトラブルの範囲も広く代表的なものだと「離婚問題」、「相続問題」、「労働問題」、「交通事故」などによる法的トラブルの際の弁護士費用が補償されます。

現状で弁護士保険の種類はいくつかあり、月額の保険料や補償割合、他にも付帯サービスや特約などがそれぞれ異なります。
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まとめ:金の相続 | 税金の評価額は?隠したらバレる?弁護士への依頼費用は?
この記事のまとめはこちらです。
- 一部の例外を除き金は相続税の対象となり、相続税が発生しているのにもかかわらず申告を怠ると税務署から追徴課税を受ける場合がある。
- 金を相続した場合は相続税の対象となるが、課税対象の財産全ての評価額を計算しなければ実際にかかる相続税を算出することはできない。基礎控除より財産が少ない場合は相続税がかからない場合もある。
- 金の相続自体に行政上の特別な手続きは無いが、相続を巡って相続人の間で話し合いがまとまらない場合や、相続税が発生し申告に不安がある場合は弁護士を雇って対応を一任するのも選択肢の一つである。
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