遺産分割審判とは | 弁護士に依頼する場合の費用と流れ

裁判官や調停委員を交えた遺産分割調停でも話がまとまらない場合に行われる遺産分割審判ですが、このページでは遺産分割審判において弁護士に依頼した場合の費用を主に紹介しています。

他にも、そもそも遺産分割審判とはどのような手続きなのか、弁護士なしで手続きをすることも可能なのか紹介していきます。加えて、高額な弁護士費用を補償してもらうことができる弁護士保険についても触れているのでご覧ください。

目次

遺産分割審判とは

遺産分割審判とは

遺産分割審判とは、遺産分割調停で話し合いを進めても相続した遺産の分割方法が決まらない場合に行われる手続きで、各相続人の主張や資料を元にして裁判官が分割方法を決めます。

遺産分割調停においても裁判官が関わるケースがありますが、最終的に相続人同士の合意によって分割方法が決まります。ですが、遺産分割審判の場合は、最終的に裁判官が分割方法を決めます。

審判の内容に不服がある場合は、2週間以内に不服申し立てをする必要があります。2週間を過ぎると審判の内容が確定します。

遺産分割審判にかかる期間

遺産分割事件数 – 実施期日回数別審理期間別 – 全家庭裁判所

実施回数総数0回1回2回3回4回5回6〜10回11〜15回16〜20回21回以上
総数12,9811,0091,6731,8801,5781,3051,0202,936984345251
1ヶ月以内248194495
3ヶ月以内1159350649149101
6ヶ月以内2,8492647021,133596138106
1年以内4,1831362075128541,0317676742
3年以内97275151641319850818917
3年以上4821333102860140234
参照:https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/659/012659.pdf

遺産分割調停にかかる期間は、「1年以内」が最も多く、続いて「2年以内」、「6ヶ月以内」が多いです。

また、遺産分割調停が行われた回数をみると、「6〜10回」が最も多く、続いて「2回」が多いです。6ヶ月以内に行われる際は、2回程度終わるケースが多いようです。

中には、3年以上続き20回を超えて長期にわたるケースもあるようです。

遺産分割審判にかかる費用

必要書類の取得にかかる費用

戸籍謄本(被相続人)450円/通
除籍謄本(被相続人)750円/通
改正原戸籍(被相続人)750円/通
住民票(相続人全員)300円/通
戸籍附票(相続人全員)300円/通
戸籍謄本(相続人全員)450円/通
登記事項全部証明書
(遺産に不動産が含まれる場合)
600円/通
固定資産評価証明書
(遺産に不動産が含まれる場合)
300円/通
残高証明書
(遺産に預貯金が含まれる場合)
1,000円前後/通
現在登録事項等証明書
(遺産に自動車が含まれる場合)
300円/通

遺産分割調停にかかる費用は、数千円〜1万円程度かかることが一般的です。

基本的には、「必要書類の取得」+「審判の申立て」がかかります。必要書類の取得は、相続人の人数や被相続人の遺産によって異なりますが、基本的には数千円程度に収まります。

審判の申立ては、「収入印紙1,200円分」+「郵便切手を数千円〜5,000円分」かかります。調停から自動的に申立てする場合は、収入印紙の費用は不要です。

弁護士なしで遺産分割審判をすることはできる?

遺産分割審判を弁護士なしで手続きを行うことは可能です。但し、遺産分割審判は、訴訟にも似た手続きになるため、弁護士に依頼する方がよいでしょう。

遺産分割審判では、相続人同士の話し合いはなく、裁判官が相続人の主張や資料を元に判断します。そのため、自身で主張すると適切な主張や資料が用意できず不利になりやすいです。

遺産分割審判の前に行われる遺産分割調停でも弁護士が8割ほど介入しているので、遺産分割審判でも同様に弁護士へ依頼する方が良いと言えるでしょう。

遺産分割審判で弁護士に依頼する必要はあるのか

上記で説明したように遺産分割審判において必ず弁護士へ依頼しなければならないわけではありません。ですが、訴訟にも近い遺産分割審判では、余程の理由がない限りは依頼した方がよいでしょう。

遺産分割審判で弁護士に依頼するべきケース

強制執行も視野に入れている場合

中には、相手の相続人が無理と思われる主張を続けているケースもあるでしょう。そのような場合でも自身では適切な主張ができず、審判が平行線のままひたすらに続いてしまう可能性もあります。弁護士に依頼することで相手の無茶な行動の牽制にもなり、強制執行に繋げられる場合があります。

相手方が弁護士を立てているとき

相手方が弁護士を立てているにも関わらず、弁護士なしで遺産分割審判に参加すると法律的な主張をされたときに対応することが難しくなってしまいます。遺産分割審判では、弁護士に依頼するケースが多いことから不利にならないようにこちらも弁護士に依頼して備えるとよいでしょう。

遺産分割審判で弁護士に依頼するメリット

交渉において見落としせずに進められる

遺産分割審判では、お互いの主張や資料は裁判官を通して行われ、加えて法律用語や専門知識が飛び交いやすくなります。不服申し立てすることはできますが、基本的に一度決まった審判を覆すのは難しいです。弁護士に依頼をすると、交渉における見落としなく進めやすくなります。

弁護士に代理で出席してもらえる

遺産分割審判は基本的に平日に行われるため、自身が参加するのは難しいです。もし、出頭しないとその交渉は不利に働き、不利に働かせないためには、裁判所に認められる理由や条件を満たす必要があります。ですが、弁護士であれば代理で出頭してもらうことができます。

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遺産分割審判で弁護士に依頼する場合の費用の相場

相談料5,000円程度/30分
着手金20〜60万円
報酬金獲得金額の6〜16%程度

遺産分割審判で弁護士に依頼をすると、獲得金額によって大きく左右されます。獲得金額が1,000万円を超える場合は、弁護士費用も150万円を超えるケースもあるでしょう。

遺産分割審判において弁護士へ支払う費用は、報酬金や着手金が大部分を占めます。着手金は、手続き毎に発生するケースも多く、遺産分割協議や遺産分割調停での依頼も含めると60万円ほどかかる場合もあります。

報酬金は、獲得金額によって変わるので下記の表を参考にしましょう。

経済的利益の額報酬金
300万円以下16%
300万円以上、3,000万円以下10%+18万円
3,000万円以上、3億円以下6%+138万円
3億円以上4%+738万円
参照:https://souzoku.asahi.com/article/14333351

参照:https://souzoku.asahi.com/article/14333351

遺産分割審判で弁護士に代理交渉をする場合の流れ

STEP
遺産分割協議・遺産分割調停を行う

基本的には、遺産分割審判の前に遺産分割協議、遺産分割調停の順で行われることが一般的です。

遺産分割審判は、調停前置主義が採用されていません。そのため、調停などを行わずそのまま審判の申立てをすることもできます。

調停前置主義とは

調停前置主義とは、裁判や訴訟前に調停を行なっていなければならないという制度です。例えば、離婚などの家事事件では、審判に移る前には調停を行なっている必要があります。

STEP
弁護士に依頼をする

遺産分割審判に移る前に弁護士に依頼、もしくはどのように審判手続きを進めるか確認しておくとよいでしょう。

遺産分割審判では、裁判官が判断し審判を確定させます。そのため、どのように主張するか方向性が定まらないまま審判手続きを進めると、不利な条件で確定してしまうケースもあります。

不服申し立てをすることもできますが、基本的には、審判結果を覆すのは難しく従わなければなりません。

STEP
遺産分割審判へ移行

遺産分割調停から遺産分割審判に移行した場合は、申立ての必要はありません。調停が不成立になってから数日以内に遺産分割審判へ移行したお知らせ及び概要を記載した呼出状が届きます。

調停を行わずに申立てする際には、収入印紙で1,200円分と申立て書を用意しなければなりません。

STEP
遺産分割審判が開催される

遺産分割審判は、1ヶ月から2ヶ月に1回で行われます。お互いが主張を続ける限り繰り返し行われるため、早く終わるケースもあれば長引くケースもあります。

法律上の主張、及びそれを立証するための資料や証拠を用意します。

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遺産分割審判についてよくある質問

遺産分割審判が判決がでたらどうすればいいですか?

遺産分割審判によって出た審判結果は、審判書に内容がまとめられてそれぞれの相続人に送付されます。

遺産分割審判で合意しない場合はどうなる?

遺産分割審判で相続人が合意しなかった場合でも、審判結果が出たらそれに従わなければなりません。無視したとしても強制執行が行われます。

まとめ:遺産分割審判とは | 弁護士に依頼する場合の費用と流れ

この記事のまとめはこちらです。

  • 遺産分割審判とは、遺産分割調停で話し合いを進めても相続した遺産の分割方法が決まらない場合に行われる手続きで、各相続人の主張や資料を元にして裁判官が分割方法を決めます。
  • 遺産分割審判で弁護士に依頼をすると、交渉が有利に進めやすくなることに加えて、代理出席などを依頼することも可能です。
  • 遺産分割調停を自身で行う場合の費用は、数千円〜1万円程度。弁護士に依頼をすると、獲得金額によって異なるが、150万円を超えるケースもあります。

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