このページでは、製造物責任法(PL法)の「条文内容」、「損害賠償の範囲」などについて主に紹介しています。
「製造物責任法の事例」や「製造物責任法に関するトラブルがある場合の対処法」についても触れています。
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製造物責任法(PL法)とは
製造物責任法とは、被害者を保護する目的のために製造物の欠陥によって生じた損害に対する賠償の請求について定めている法律です。
製造物責任法(PL法)の条文内容
製造物責任法(PL法)は、主に「この法律の目的や定義」、「製造物責任」、「免責事由」などについて定められています。
目的や定義
製造物責任法の目的は、製造物の欠陥によって身体または財産に関する被害が生じた場合に、製造業者等の損害賠償の請求について定めることによって被害者の保護を図ることにあります。
また、製造物責任法では、「製造物」、「欠陥」、「製造業者等」という言葉に対して主に下記のように定義されています。
- 製造物:製造、または持ち運びできる物体
- 欠陥:製造物が通常有すべき安全性を欠いていること
- 製造業者等:製造物を生業として製造、加工または輸入した者
製造物責任法 第一条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/406AC0000000085
この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
製造物責任法 第二条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/406AC0000000085
1 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。
2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。
3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
一 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)
二 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
三 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者
製造物責任
製造業者の責任として、製造物(加工や輸入も含む)の欠陥によって他者の身体または財産に関する被害が生じた場合に、その損害に対する賠償しなければなりません。
製造物責任法 第三条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/406AC0000000085
製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
免責事由
製造物に欠陥があったとしても「その時点の最高技術を用いても欠陥を予見することが難しいことが立証された場合」、「依頼者からの設計の指示通りに作成したにも関わらず欠陥が発生した場合」は免責として損害の賠償をする必要はありません。
製造物責任法 第四条
参照:https://laws.e-gov.go.jp/law/406AC0000000085
前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。
一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
二 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと。
製造物責任法(PL法)における損害賠償の範囲
製造物責任法における損害賠償の範囲として、製品の欠陥によって「身体の被害」、「その他財産の被害」が対象となります。
あくまで当該の製品によって引き起こされた上記の被害が損害賠償の範囲となり、製品自体が破損した場合には範囲外となります。
また、製造物責任法の責任を負う対象としては、「製造業者」、「加工業者」、「輸入業者」が挙げられます。
製造物責任法(PL法)における事例
消費者庁のウェブサイトによると、製造物責任法に関連する訴訟は約600件ほど記されています。(1995年7月〜2025年3月のデータを参照)
製造物責任法に関連する事例として代表的なものは下記のものとなります。
- 家電・電気製品の火災や発煙
- 食品・飲料の異物混入
- 日用品の破損
- 美容製品によるアレルギー発症
- 介護・医療機器トラブル
製造物責任法(PL法)における裁判の事例
下記では、製造物責任法に関する裁判の事例を紹介しています。
- 事件当時、別の企業では同様の機械に対して安全防護装置を備えていたが、当該企業の機械では備えていなかった事例
- 製造物の使用期間が争点となった事例(購入時から一定期間経過していたケース)
- 製造物の表示が争点となった事例
東京地裁 平成29年1月24日 丸のこ切断機指切断事件
事案の概要
工作機械を使用して角材を切断する作業中、切断が終了した材料を取り出そうとして左手を機械内に挿入した際に回転中の丸のこ刃に触れて左手中指を切断するなどの傷害を負った者が、本件機械を製造販売した会社(Y)に対し、製造物責任に基づき、損害賠償を求める等した事案。
裁判結果
本件の機械は製造物責任法第3条における「欠陥」があったということができる。
- 本件機械を使用する際、最後の端材を取り出す際には丸のこ付近に手を挿入して端材を取り出す工程が不可避であること。
- 機械の危険源が運動しているときに人が身体を危険源に誤って触れることがないような装置を備えることが厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」などにおいて求められていたこと
- また、既に同様の工作機械に安全防護装置を設けていた会社も存在していこと。
京都地裁 平成18年11月30日 折りたたみ足場台脚部座屈傷害事件
事案の概要
折りたたみ足場台の上で修理作業をしていた男性(X)が、突然足場台脚部最下段の桟の下の部分で1脚が座屈したため転落し、外傷性気胸及び肋骨(ろっこつ)骨折の傷害を負ったとして、足場台製造会社(Y)に対して製造物責任に基づき損害賠償を求める等した事案。
裁判結果
本件は、Xが初期不整及び補強金具の不具合等の欠陥等があったと主張し、下記の要因からその主張が認められた。
- Xは、本件足場台の天板の上に立って作業しており、これは本件足場の通常の使用方法であったこと
- 本件事故は、Xが本件足場台を購入してから約3年9か月後に発生しているが、同期間は、本件足場台が通常有する安全性が維持されてしかるべき合理的期間の範囲内であると
- 本件足場台の形状からして、本件足場台の通常の用法以外の方法で使用されることがにわかに考え難いこと
大阪高裁 平成24年5月25日 こんにゃく入りゼリー1歳児死亡事件
事案の概要
当時1歳9か月の幼児がこんにゃくゼリーを食べて喉に詰まらせ窒息し、その後に死亡したのは、こんにゃく製品製造販売会社(Y)らがこんにゃくゼリーの設計上及び警告表示上の致命的な欠陥を放置して漫然と製造・販売したことによるなどとして、幼児の両親が、Yに対して製造物責任に基づき損害賠償を求めた事案。
裁判結果
本件は、下記の要因から製造物責任に基づいた損害賠償は認められなかった。
- 本件警告表示においては、子どもや高齢者がこれを食するとのどに詰まらせる危険性があることが、外袋表面のピクトグラフ等の記載や外袋裏側の警告文に明確に表示されていた。
- 通常のゼリー菓子ではなく、こんにゃく入りであることも、外袋の表にも裏にも記載され、特に、子どもや高齢者は食べないでくださいと明確に表示されていた。
- 本件事故当時は、一般消費者にとって、その食品特性を認識しにくい状態にあったともいえず、むしろ、その特性、更には事故情報についても少なくとも一定程度は既に認識されていた状況にあったといえる。
製造物責任法(PL法)の内容におけるトラブルがある場合の対処法
製造物責任法におけるトラブルがある際、被害者側と事業者側で対応が大きく変わります。それぞれについて説明していきます。
被害者側、事業者側それぞれの対応
被害者側の対応
- 安全確保:治療が必要である場合は治療し、領収書や診断書を保管する。
- 被害状況の記録:現場の状況を写真や動画で撮影する。
- 当該製品の保管:欠陥があると考えられる製品の保管する。
- 第三者へ相談:消費生活センターや弁護士などへ相談する。
事業者側の対応
- 製品回収、告知:被害拡大を防ぐために製品回収や告知を早急に行う。
- 証拠の保全:証拠として事故品の保全をする。
- 第三者へ相談:弁護士などへ相談する。
製造物責任法(PL法)に関するトラブルがある場合の相談先
消費生活センター
商品やサービスの契約に関するトラブルなど消費生活全般に関して相談することができます。購入した商品によって損害を生じた際に、それが製造物責任法に関したものであるかなども相談することができます。
弁護士への相談
弁護士への相談では、被害者側、事業者側どちらもが相談することができます。製造物責任法においては、その製造物において欠陥があるか否かが重要なポイントとなります。弁護士に相談することで、欠陥に関する適切な証拠を用意することができます。
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製造物責任法(PL法)に関する内容で弁護士へ相談する場合の費用
下記は、製造物責任法に関するトラブルで損害賠償の請求を弁護士に依頼することを想定しての金額となっています。
- 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
- 着手金:10万円~30万円程度
- 成功報酬:獲得金額の10~15%程度
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弁護士費用が払えない場合は
製造物責任法に関するトラブルにおいて、弁護士に依頼する場合は相談料・着手金・報酬金を支払います。
しかし、弁護士へ支払う費用は高額になることも多く、一括で用意するのが難しいこともあるでしょう。
ここでは、弁護士費用が払えない場合の対処法を紹介していきます。
分割払いや後払いできる法律事務所の利用
前提として、弁護士に支払う報酬金を無料にすることは難しいですが、分割払いや後払いに対応可能な法律事務所はいくつかあります。
また、依頼する事件内容によって分割払いの対応をしてくれる法律事務所もあるようです。まずは問い合わせだけでもしてみましょう。
弁護士保険に加入しておく
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弁護士保険に加入すると費用の報酬金が補償される
上記でも少し触れましたが、もし弁護士保険に加入していればトラブルの際の弁護士費用が報酬金含めて補償されます。
補償されるトラブルの範囲も広く代表的なものだと「離婚問題」、「相続問題」、「労働問題」、「交通事故」などによる法的トラブルの際の弁護士費用が補償されます。

現状で弁護士保険の種類はいくつかあり、月額の保険料や補償割合、他にも付帯サービスや特約などがそれぞれ異なります。
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まとめ:【わかりやすく】製造物責任法(PL法)とは?損害賠償の範囲とは?
この記事のまとめはこちらです。
- 製造物責任法とは、被害者を保護する目的のために製造物の欠陥によって生じた損害に対する賠償の請求について定めている法律です。
- 製造物責任法における損害賠償の範囲として、製品の欠陥によって「身体の被害」、「その他財産の被害」が対象となります。
- 製造物責任法におけるトラブルが生じた際には、被害者、事業者かかわらず証拠の保全と弁護士など第三者への相談することが大事です。
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