【特許侵害】弁護士へ相談する場合の費用

このページでは、特許侵害で悩んでいる場合にどのような対応をするべきかを紹介しています。加えて、実際に日本でどのくらい模倣被害が発生しているのか、また知的財産トラブルで頼りになる「弁護士」と「弁理士」の違いについても解説しています。

そして、特許侵害が発生した際の相談先として最も効果的な「弁護士」へ依頼した場合の費用感(着手金や成果報酬など)や流れについても紹介しています。

目次

特許侵害においての実態とは

特許侵害についての現状を知ろう【海外からの模倣被害もあり】

模倣被害法人数の割合

参照:https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/mohou_higai/document/index/0200.pdf

日本の産業財産権を保有する法人のうち、2019年度で模倣被害を受けた法人は全体の7.4%(15,493法人)でしたが、被害にあったか不明な法人が32.5%あるため、実際の模倣被害は7.4%より多い可能性があります。

国・地域別の模倣被害状況

参照:https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/mohou_higai/document/index/0200.pdf

海外からの模倣被害のうち、製造国・販売国は飛び抜けて「中国」が多く、経由国は「中国」についで「その他欧州」「香港」が続いており、圧倒的に中国からの模倣被害が多いことが分かります。

模倣被害対策の実施状況

参照:https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/mohou_higai/document/index/0200.pdf

日本の産業財産権を保有する法人のうち、模倣被害対策をしていない(インターネット上の対策を含む)法人が全体の77.3%(169,646法人)と多数を占めています。

日本の産業財産権を保有する法人のうち、2019年度で模倣被害を受けた法人は全体の7.4%(15,493法人)であり、模倣品の製造・経由・販売のいずれにおいても中国が最多でした。

「模倣被害」とは、特許・実用新案・意匠・商標・著作権などの知的財産権を侵害した商品・サービスが、製造・販売等されることで利益を損なう可能性がある被害のことを言います。

特許侵害においての相談先について

特許侵害について悩んでいるときには、自分だけで抱え込まず第三者に相談をしてみるのも良いでしょう。第三者の考えを聞くことで、より良い解決につながる場合もあります。

弁護士への相談

特許侵害について弁護士ができること

差止請求・損害賠償請求ができる

特許侵害をしている相手に対しての書面などでの連絡・警告や、裁判などに発展した際の諸々の対応について、弁護士を雇っていればこれらの業務を一任することも可能です。

自社が特許権を侵害していないか確認できる

自社製品などが他社の特許・知的財産権を侵害していないかを確認するのは自社だけでは限界があります。弁護士または弁理士による侵害鑑定を行うことでトラブルに巻き込まれるリスクを減らせます。

弁護士へ無料相談することはできる?

近年は、無料で相談できる弁護士事務所も増えており、一定数の弁護士事務所で無料相談が可能です。あくまでもできるのは、相談で着手してもらう場合は有料となります。また、無料相談も「初回30分のみ」など制限を設けていることが多いです。

「弁護士保険事業者のミカタ」、「弁護士保険 コモンBiz+」、「弁護士保険 個人ビジネス+」などの弁護士保険に加入すると、付帯サービスとして、弁護士への無料相談サービスが備わっており、より相談しやすくなっています。

特許侵害について弁護士相談を考える方には【弁護士保険事業者のミカタ】がおすすめ!

【弁護士保険事業者のミカタ】に加入すると、事業型トラブルによる弁護士費用が補償されます。また、日本全国の弁護士を紹介してもらえる「弁護士紹介サービス」など他にもある付帯特典を受けることもできます。

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※ ライトタイプ・特約付帯の場合。一括保険料56,280円を1年365日で割って算出

弁護士以外の相談先

ここで、紹介する相談先は無料で相談することができるため、弁護士に相談する前の相談先としてもおすすめです。

日本弁理士会

日本弁理士会では知的財産相談室を常設しており、特許・実用新案・意匠・商標の出願手続、調査、鑑定、異議申立、訴訟はもちろん、 諸外国の制度や知的財産権全般について弁理士が無料で相談に応じています。

特許庁

特許庁では特許権・実用新案権・意匠権及び商標権の産業財産権に関する手続の一般的な相談や、模倣品問題に関する相談を無料で行っています。

特許侵害について相談するならどっちがいい?【弁護士と弁理士】

弁護士

こんなときは弁護士に相談しよう

特許侵害の解決までのあらゆる法的業務のサポートを受けたい

弁護士への相談 特徴

法的なトラブル解決全般に関する幅広いサポートが受けられる

弁護士に相談する場合の流れ

  • 弁護士へ相談
  • 弁護士が必要な証拠を集める
  • 裁判にて弁護士が被告に対して、差止・廃棄・損害賠償請求などを行う

弁理士

こんなときは弁理士に相談しよう

知的財産に関する専門的なサポートを受けたい

弁理士への相談 特徴

知的財産に関するトラブルに特化しているため、専門的なサポートが受けられる

弁理士に相談する場合の流れ

  • 弁理士へ相談
  • 弁理士が必要な証拠を集める
  • 裁判にて弁護士と協力して被告に対して、差止・廃棄・損害賠償請求などを行う

特許侵害について弁護士に相談して依頼する際の流れ

特許侵害トラブルの発生

特許侵害トラブルは基本的には「自社で特許申請しているものと同一、またはほとんど同じ技術を用いて他社が模倣品を製造した場合」に発生します。

特許技術は工業製品の製造以外にも、通信方式や食品の生産方法など多岐に渡ります。

弁護士へ相談

特許侵害トラブルは非常に専門性の高いものになるため、知的財産に詳しい弁護士や弁理士などの専門家にまずは相談しましょう。

近年では初回の相談料が無料の弁護士事務所も存在するので、費用面で不安な方もまずは弁護士に相談してみましょう。

相手との交渉、内容証明郵便の送付

弁護士に相談した場合であっても、実際に裁判になると時間的・金銭的・精神的ストレスがかかることから、まずは話し合いによる交渉によっての解決を目指します。

その際に弁護士を通して申し入れを行ってもらったり、内容証明郵便で通告書を送付したりすることで相手が要求を呑みやすくなります。

内容証明郵便は、「いつ いかなる内容の文書を誰から誰宛てに差し出されたか」を郵便局が証明してくれるサービスです。訴訟など法的措置を行う際の証拠の一つとして活用することができます。

調停・裁判の提起

話し合いによる交渉にも相手が応じない場合は調停や裁判を提起する形となります。

特許侵害に関する訴訟は専門性が非常に高いため、スムーズかつ納得のいく形に進めるためには知的財産に詳しい弁護士か付記弁理士(特定侵害訴訟に関して訴訟代理人となることができる弁理士)への依頼をお勧めします。

通常の弁理士では特許侵害の訴訟において訴訟代理人よりも権限の弱い補佐人になることしかできず、改めて弁護士も雇うか、裁判の当事者本人が期日ごとに出頭する必要があります。

【特許侵害】弁護士へ相談する場合の費用

  • 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
  • 着手金:数十万円〜(得られる経済的利益による)
  • 成功報酬:数十万円〜(得られる経済的利益による)

特許侵害の訴訟においては請求額が数億円単位と非常に高額になる場合もあるため、費用倒れにならないよう予めどれくらいの弁護士費用が発生するのか確認をしたうえで委任契約を結びましょう。

特許侵害を弁護士へ依頼する場合にかかるその他費用

特許侵害を弁護士に依頼する場合、上記の弁護士費用の他にも各種手続きなどで実費が発生します。

実費は個々のケースによって大きく異なりますが、「相談料」「着手金」「成功報酬」以外の代表的な費用は以下のようになります。

  • 通告書・警告書の作成:数万円程度
  • 特許の鑑定費用:数十万円
  • 弁護士の日当:1日あたり数万円程度

加入したら、もう訴訟を諦める
必要がなくなる。

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取扱保険会社一覧

まとめ:特許侵害で弁護士へ相談する場合の費用

この記事のまとめはこちらです。

  • 日本の産業財産権を保有する法人のうち、2019年度で模倣被害を受けた法人は全体の7.4%で、模倣品の製造・経由・販売のいずれにおいても中国が最多。
  • 特許侵害トラブルに対する専門家として弁護士と弁理士がいるが、訴訟を視野に入れているのであれば裁判に関する幅広い知識を備えている弁護士に相談するのがオススメ。
  • 特許侵害で弁護士へ相談する場合の費用は、「相談料:1時間あたり5,000~10,000円」、「着手金・成功報酬:数十万円〜(得られる経済的利益による)」と非常に高額になる可能性がある。

弁護士への相談を検討している場合は、弁護士保険の加入がおすすめです。下記から、弁護士保険の比較することができます。

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