このページでは、債権回収トラブルで悩んでいる場合にどのような対応をするべきかを紹介しています。加えて、債権回収トラブルの発生状況や、債権回収時に注意しなければならない点についても解説しています。
また、債権回収トラブルが発生した際の相談先として最も効果的と言われている弁護士へ依頼した場合の費用感(着手金や成果報酬など)や流れについても紹介しています。
債権回収においての実態とは
債権回収についての現状を知ろう【取扱債権数は年々増加傾向】
取扱債権数の推移
年間の取扱債権額は12兆円前後、回収額は1.8兆円前後を推移しており、債権額が回収額を大幅に上回っている状況です。
取扱債権数の内訳
特定金銭債権(=債権管理回収業に関する特別措置法によりサービサーが取り扱うことができる債権)は数・額ともに「金融機関等が有する/有していた貸付債権」が過半数を占めています。
中小企業が抱える困りごと
中小企業の抱える困りごととして、多い順に「雇用問題(37.1%)」「債権回収(30.3%)」「契約内容の相談・検討、契約書(24.9%)」となっており、債権回収は中小企業における大きな課題の一つと言えます。
中小企業による顧問弁護士・相談できる弁護士の有無
中小企業の中で、過去10年で弁護士の利用経験のあり、現時点で相談できる弁護士がいる割合は36.8%となっており、弁護士にすぐに相談できる環境にある中小企業は決して多くありません。
債権回収会社の取扱債権額は近年は12兆円前後で推移しており回収金額を大幅に上回っている状況が続いています。
中小企業においても約30%の企業が「債権回収」を困りごととして挙げている一方で、現時点で相談できる弁護士がいる中小企業の割合は36.8%となっています。
債務回収は金額の大きさによっては債権者側にも多大な影響を与える可能性があるので、債権回収において押さえておくべきボイントをきちんと把握しておきましょう。
債務者にお金がない場合、債権者は泣き寝入りとなる?
債務者に現時点でお金が無い場合であっても、債務者の給与の一部を差し押さえたり、債務者の持つ不動産などの資産を競売にかけて支払いに充てさせること(=強制執行)は可能です。
ですが、債務者の自己破産や、債務を抱えた会社の法人破産が認められてしまった場合、債権者は換金化された資産の配当を受けることが出来るものの最終的に足りない分は泣き寝入りになってしまう可能性があります。
債権回収においての相談先について
債権回収について悩んでいるときには、自分だけで抱え込まず第三者に相談をしてみるのも良いでしょう。第三者の考えを聞くことで、より良い解決につながる場合もあります。
弁護士への相談
債権回収について弁護士ができること
訴訟や強制執行の手続きを依頼できる
債権回収では、督促状や内容証明郵便の作成、さらに裁判になれば各種書類の準備などが必要になります。また、判決が確定した後も強制執行を行う場合は各種手続きが更に必要になります。
弁護士を雇えばこれらの専門的な作業を全て弁護士側に一任することも可能です。
債務者に対しての交渉を代行できる
債務者に対して支払いの催促の連絡をしたり、裁判や調停で債務者と請求額等について交渉をしたりと、債権者が債務者と実際にやり取りをしなければいけない場面は複数存在します。
これらの交渉も弁護士に代行してもらうことが可能で、依頼者の時間的・精神的負担が無くなります。
弁護士へ無料相談することはできる?
近年は、無料で相談できる弁護士事務所も増えており、一定数の弁護士事務所で無料相談が可能です。あくまでもできるのは、相談で着手してもらう場合は有料となります。また、無料相談も「初回30分のみ」など制限を設けていることが多いです。
「弁護士保険事業者のミカタ」、「弁護士保険 コモンBiz+」、「弁護士保険 個人ビジネス+」などの弁護士保険に加入すると、付帯サービスとして、弁護士への無料相談サービスが備わっており、より相談しやすくなっています。
債権回収について弁護士相談を考える方には【弁護士保険事業者のミカタ】がおすすめ!
【弁護士保険事業者のミカタ】に加入すると、事業型トラブルによる弁護士費用が補償されます。また、日本全国の弁護士を紹介してもらえる「弁護士紹介サービス」など他にもある付帯特典を受けることもできます。
- 日本弁護士連合会 との連携で安心!
- 民事上のトラブル をほぼ全てカバー!
- 保険金支払い 回数制限なし!
1日あたり 155 円から利用できる事業者向けの弁護士保険!※
※ ライトタイプ・特約付帯の場合。一括保険料56,280円を1年365日で割って算出
債権回収について弁護士費用を相手に請求できる?
弁護士費用については勝訴・敗訴に関係なく原則として相手に請求することは出来ません。
敗訴した側が弁護士費用を支払うのは一見正しく感じられますが、「もし負けたら相手の弁護士費用も支払わないといけないのなら…」と訴える側が訴訟を思いとどまってしまう可能性があります。
そのため、法律で定められた訴訟費用については敗訴側の負担が認められる一方で、弁護士費用については原則自己負担となっています。
なお、不法行為があった場合の損害賠償の訴訟においては相手側に弁護士費用も請求出来る場合があります。
ですがその場合も弁護士費用全額を請求できるわけではなく、損害賠償額の一割程度(慰謝料として100万円が認めれれたら10万円分)を限度に認められることになります。
債権回収の場合、「債務不履行による損害賠償請求」であり不法行為にはあたらないので、弁護士費用を相手側に請求するのは難しいのが実情です。
弁護士以外の相談先
ここで、紹介する相談先は無料で相談することができるため、弁護士に相談する前の相談先としてもおすすめです。
法テラス
法務省が所管する独立行政法人で、365日24時間対応してもらうことができます。条件を満たせば、弁護士への依頼費用を立て替えてもらうこともできます。
法律相談センター
各都道府県の弁護士会などが設置している法律相談センターでは、15分程度の法律相談を無料で受け付けている場合があります。(相談形態・内容によっては有料)
債権回収の費用倒れを防ぐために確認すべきこと
債権回収において注意すべきこととして費用倒れがあります。
特に高額な請求を行う際は弁護士費用やその他の手続きで債権者側が負担する費用も高額になってしまう場合があるので予め費用倒れにならないためのポイントを押さえておきましょう。
債権回収の成功報酬金額を把握する
債権回収では請求額が高額になる可能性があるため、弁護士費用の中でも成功報酬金額が想像以上に大きくなる場合があります。
また契約内容によっては「判決で認められた請求金額」に応じて成功報酬の支払い義務が生じる場合もあるため、判決は出たものの実際には債務者からお金が支払われていない段階でも成功報酬を請求されてしまう場合があります。
事前に「何の金額を成功報酬として計算するか」「実際に成功報酬がどのくらいになるか」「どのタイミングで成功報酬を支払うか」などをきちんと把握して委任契約を結びましょう。
強制執行を検討するのであれば、別途費用についても把握する
相手の財産から債権を回収するには、「強制執行」の申し立てを行い裁判所の手続によって相手側の財産を差し押さえる必要があります。
強制執行では各種手続きを行う必要があるため手間や費用が発生するうえ、必ずしも想定通りの財産等を差し押さえられるとは限りません。
特に不動産執行を検討している場合は予納金として数十万円を裁判所に支払う必要があったり、競売を経て最終的に請求額を回収するまでに1年程度かかる可能性があったりと、不動産執行を行うかどうか自体も慎重に判断する必要があります。
債権回収について弁護士に相談して依頼する際の流れ
債権回収トラブルの発生
債権回収トラブルは多岐に渡りますが、以下のようなものがよく挙げられます。
- 取引先が売掛金の返済をしてくれない
- 所有している不動産で家賃滞納が発生した
- 取引先の経営状況が悪化し代金支払いが滞った
弁護士へ相談
債権回収では債権者・債務者のおかれている状況により取るべき対応が変わるため、まずは弁護士へ相談して初動対応のアドバイスをもらうのがお勧めです。
近年では初回の相談料が無料の弁護士事務所も存在するので、費用面で不安な方もまずは弁護士に相談してみましょう。
相手との交渉、内容証明郵便の送付
弁護士に相談した場合であっても、実際に裁判になると時間も費用も精神的ストレスもかかることから、まずは話し合いによる交渉によっての解決を目指します。
電話やメール以外での連絡以外にも内容証明郵便を送付することで相手が要求を呑みやすくなります。
内容証明郵便は自身でも送付することはできますが、弁護士に送付してもらうことで相手にこちら側の真剣度を伝えたり、心理的なプレッシャーをかけたりすることができます。
内容証明郵便は、「いつ いかなる内容の文書を誰から誰宛てに差し出されたか」を郵便局が証明してくれるサービスです。訴訟など法的措置を行う際の証拠の一つとして活用することができます。
調停・裁判の提起
話し合いによる交渉にも相手が応じない場合は調停や裁判を提起する形となります。
調停や裁判に発展していくほとんどの場合は相手との関係は決裂している状態で、法的証拠を活用して相手と法廷で争っていく形となります。
調停や裁判は個人で行うことも可能ですが多くの法的な専門知識が求められるため、スムーズかつ納得のいく形に進めるためには弁護士への依頼をお勧めします。
強制執行を行う
裁判などで債務名義を取得できた場合、裁判所に強制執行の申立を行うことで債務者の財産などを差押えて債権回収をすることができます。
強制執行は債務者の何を差し押さえるかによって「債権執行」「不動産執行」「動産執行」の3つに分かれますが、債務者が差し押さえる価値のあるものを保有しているかを予め債権者側が財産調査を行うなどして調査しておかなければ、最終的に強制執行が空振りに終わってしまう場合もあるので注意が必要です。
【債権回収】弁護士へ相談する場合の費用
- 相談料:1時間あたり5,000~10,000円(無料相談の事務所あり)
- 着手金:20万円~30万円程度
- 成功報酬:獲得金額の10~20%程度
債権回収を弁護士へ依頼する場合にかかるその他費用
債権回収を弁護士に依頼する場合、上記の弁護士費用の他にも各種手続きなどで実費が発生します。
実費は個々のケースによって大きく異なりますが、「相談料」「着手金」「成功報酬」以外の代表的な費用は以下のようになります。
- 内容証明郵便:1,000〜2,000円程度
- 印紙代:数千円〜(訴額によって変動する場合あり)
- 公正証書の作成:数万円程度
- 弁護士の日当:1日あたり数万円程度
加入したら、もう訴訟を諦める
必要がなくなる。
弁護士保険 比較
取扱保険会社一覧
まとめ:債権回収で弁護士へ相談する場合の費用
この記事のまとめはこちらです。
- 債権回収会社の取扱債権額は12兆円前後で近年は推移しており回収金額を大幅に上回っており、中小企業においても約30%の企業が「債権回収」を困りごととして挙げている。
- 実際の請求額や相手の資産状況なども加味して債権回収を行わないと「費用倒れ」になってしまう可能性もあるので、心配な場合は弁護士などの専門家への相談がオススメ。
- 債権回収トラブルで弁護士へ相談する場合の費用は、「相談料:1時間あたり5,000~10,000円」、「着手金:20万円~30万円程度」、「成功報酬:獲得金額の10~20%程度」程度になることが多い。
弁護士への相談を検討している場合は、弁護士保険の加入がおすすめです。下記から、弁護士保険の比較することができます。