このページでは、調停にかかる訴訟費用と弁護士費用について説明します。
「そもそも調停とはどういったものなのか」「審判とどのような違いがあるのか」といった根本的な疑問から、実際に調停をする際にかかる各種費用についても解説しています。
そして、調停の大まかな流れや、「調停で弁護士を雇いたいが弁護士費用を支払うのが難しい」という場合の対応策についても紹介します。
調停とは
調停とは簡易裁判所・家庭裁判所で行われる手続きの一つで、裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、裁判官・調停委員が関与しつつ当事者間の話し合いによってトラブルの解決を目指します。
調停では裁判官1名と民間の良識のある人から選ばれた調停委員2名以上で構成される調停委員会が、当事者双方の事情や意見を聴くなどして双方が納得して問題を解決できるよう助言や斡旋をします。
調停の特徴としては、裁判と違いプライバシー保護のため非公開の場で行われ、費用も安く、裁判ほどの法的な専門知識も必要とされない点が挙げられます。
どのようなときに調停は行われる?
主に簡易裁判所で行われる民事調停は「金銭の貸借や物の売買をめぐる紛争」「交通事故をめぐる紛争」「借地借家をめぐる紛争」「知的財産権をめぐる紛争」「農地の利用関係をめぐる紛争」「公害や日照の阻害をめぐる紛争」などに対して行われます。
家庭裁判所で行われる家庭調停は「離婚問題」「養育費の請求」「遺産分割」など家庭に関する幅広い紛争に対して行われます。
調停と審判の違い
非公開で行われる裁判所の紛争解決の手続きとして「調停」以外に「審判」も存在します。
調停があくまで「当事者間における話し合いによる解決」を目指すのに対し、「審判」は当事者双方の主張だけでなく状況によっては裁判所独自の調査等にも基づいて最終的に裁判所が判決を下します。
また審判はいきなり申し立てることは原則として出来ず、まずは調停による話し合いでの解決が目指され、調停が不成立だった場合に審判や裁判(=訴訟)へと発展していきます。
審判とはどのようなものか詳細を紹介しています。

調停にかかる弁護士費用 | 自分でやる場合は?
調停にかかる費用 | 金額 |
---|---|
収入印紙 | 数千円(当事者数による) |
予納郵便切手 | 数千円(当事者数による) |
必要書類の取得費用 | 数千円(当事者数による) |
自分自身で調停に関する手続きを全て行うと費用は数千円~1,2万円程度に収まり、多額の費用がかかるということはありません。
なお、民事調停における収入印紙代は訴訟の目的の価額に応じて細かく決められています。
訴訟の目的の価額 | 手数料額 |
---|---|
~100万円 | 10万円ごとに500円 |
100万円~500万円 | 20万円ごとに500円 |
500万円~1000万円 | 50万円ごとに1,000円 |
1000万円~10億円 | 100万円ごとに1,200円 |
10億円~50億円 | 500万円ごとに4,000円 |
50億円~ | 1000万円ごとに4,000円 |
参照:https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/20161001minsohiyouhoubeppyou1.pdf
弁護士を雇わずに調停を行った場合は費用を抑えることが可能ですが、実際には調停に弁護士が関与する場合も多く、調停時に当事者のどちらか、または双方に弁護士がついた割合が、2023年の統計では離婚調停は61.5%、遺産分割調停は80.5%となっています。
調停にかかる弁護士費用 | 金額 |
---|---|
法律相談料 | 5,000~10,000円 / 1時間(無料相談の事務所あり) |
着手金 | 10万円~30万円程度 |
報酬金 | 得られた経済的利益の10~20% |
実費 | 数万円 |
弁護士は法的トラブル解決の専門家なので、弁護士費用などに注意しつつ、自身の望んだ通りの判決を得るためには弁護士への依頼も検討するべきでしょう。
弁護士へ依頼する際にどのような費用が発生するか紹介しています。

調停の事例における実際にかかった費用
調停における費用の相場は、どのような問題に対する依頼かによって異なります。
いくつか例を挙げて紹介していきます。
離婚調停
「毎月4万円の養育費の支払いを夫側が受け入れる」という内容で調停成立となったケース
法律相談料 | 1万円 / 1時間 |
着手金 | 20万円 |
成功報酬金 | 20万円(離婚成立+養育費2年分の10%) |
実費 | 2万円 |
合計 | 43万円 |
離婚調停にかかる弁護士費用の詳細を紹介しています。

遺産分割調停
親の遺産(不動産)を売却して依頼者1名を含む兄弟3人で等分したケース(3000万円で売却)
法律相談料 | 1万円 / 1時間 |
着手金 | 59万円(得られた経済的利益の5%+9万円) |
成功報酬金 | 118万円(得られた経済的利益の10%+18万円) |
実費 | 3万円 |
合計 | 181万円 |
遺産分割調停にかかる弁護士費用の詳細を紹介しています。

調停にかかる費用は誰が払う?払えない場合は?
弁護士などの専門家を雇わなかった場合に調停にかかる費用は数千円~1,2万円程度ですが、これは原則として調停を申し立てた側(=申立人)が支払うことになります。
また、調停において弁護士を雇った場合の弁護士費用は調停の結果にかかわらず相手に請求することは出来ないので注意が必要です。
調停にかかる費用が払えない場合は?
調停にかかる費用のうち、特に弁護士を雇った際の弁護士費用はトラブルの内容や最終的に得られた経済的利益の大きさによっては非常に高額になる場合があります。
一般的には「法律相談料」は最初に相談をしたタイミングで、「着手金」は実際に弁護士が案件に取り掛かるタイミングで、「報酬金」はトラブルが解決したタイミングで支払うことになります。
また、既に着手しているにも限らず費用が支払えなくなった場合、「案件の処理の終了」、「弁護士の辞任」、「差し押さえなどによる法的手段」が発生する可能性があります。
特に弁護士を雇う場合は、予め「どのくらいの金額が必要になるか」「費用倒れになってしまわない」などを確認をしておきましょう。
弁護士へ依頼した場合に発生する費用について解説しています。

以下で、弁護士費用が支払えない場合の対処法もご紹介します。
分割払いや後払いできる法律事務所の利用
前提として、弁護士に支払う着手金を無料にすることは難しいですが、分割払いや後払いに対応可能な法律事務所はいくつかあります。
また、依頼する事件内容によって分割払いの対応をしてくれる法律事務所もあるようです。まずは問い合わせだけでもしてみましょう。
弁護士保険に加入しておく
弁護士保険とは、法的トラブルが発生した際の弁護士費用を補償してもらえるものです。
弁護士保険によって補償されるのは主に法律相談料、着手金、報酬金です。(保険会社によって異なることもある)
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弁護士保険とはどのようなものか詳細を紹介しています。

調停の流れ
トラブルの発生、調停の申立て
トラブルが発生し解決方法として調停を選択した場合、まずは裁判所に調停の申立てをします。
なお調停の申立てをする前に弁護士を雇っていると、調停の申立書や各種提出書類の作成などの事務手続きや調停の代理人としての出席などを依頼することも可能です。
調停への出席
裁判所が第1回の調停期日を指定し、当事者双方に裁判所への呼び出しを行います。
調停はあくまで「当事者同士の話し合いによる解決」を目指すため、当事者のどちらかが呼び出しを無視した場合は調停は不成立となってしまいます。
指定された期日での調停参加が難しい場合は、弁護士などの代理人を出頭させることが出来ます。
調停の進行
第2回以降はおおよそ1ヶ月に1回のペースで調停を重ねお互いの主張・条件の落とし所を探っていきます。
調停の審理期間はトラブルの内容によって異なり、令和5年度の統計によると民事調停は「1ヶ月以内」が73.0%で最多となっています。
一方で、家事調停は「3~6ヶ月以内」が29.0%で最多で、次いで「6ヶ月~1年以内」が27.5%と民事調停と比較して長引く傾向にあります。
調停の終了
調停が最終的に成立・不成立として決定、または調停が取り下げられると調停は終了となります。
調停が成立した場合は合意内容を調停調書にまとめられ、その記載は確定した判決と同一の効力があります。
あくまで調停は話し合いのため、どちらかでも調停の内容に不服な場合は調停は不成立となり、場合によってはそのまま審判や裁判に発展していきます。
弁護士保険に加入すると調停における弁護士費用が補償される
上記でも少し触れましたが、もし弁護士保険に加入していれば調停における弁護士費用が補償されます。
補償されるトラブルの範囲も広く代表的なものだと「離婚問題」、「相続問題」、「労働問題」、「交通事故」などの法的トラブルの際の弁護士費用が補償されます。

現状で弁護士保険の種類はいくつかあり、月額の保険料や補償割合、他にも付帯サービスや特約などがそれぞれ異なります。
当サイトでは、おすすめの弁護士保険のサービスや月額料金などを比較しているので、弁護士保険への加入を検討している場合はチェックしてみてください。
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まとめ:民事における調停とは?かかる弁護士費用は?
この記事のまとめはこちらです。
- 調停とは簡易裁判所・家庭裁判所で行われる手続きの一つで、裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、調停員会が関与しつつ当事者間の話し合いによってトラブルの解決を目指す。
- 調停にかかる費用は「収入印紙:数千円」「郵便切手:数千円」「必要書類の取得費用:数千円」ではあるが、弁護士を雇った場合はさらに「相談料」「着手金」「報酬金」なども発生し高額になる場合がある。
- 調停であってもトラブルの種類によっては弁護士を雇うことも珍しくないが、その際の弁護士費用は各自での負担となる。例えば弁護士保険に加入していると弁護士費用を一部~全額補償してくれる。
弁護士への相談を検討している場合は、弁護士保険の加入がおすすめです。下記から、弁護士保険の比較することができます。