審判とは?かかる弁護士費用は?自分でもできる?相手に請求できる?

このページでは、裁判所で行われる手続きのうち審判とはどのようなものかについて説明します。

加えて、審判が調停や裁判とどのように違うのか、実際に審判が行われた際にどのくらいの費用がかかるのかについてもご紹介します。

そして、「審判の際にかかった費用を相手に請求できるのか」「審判の費用が払えない場合どうしたらいいのか」といったよくある疑問にもお答えします。

目次

審判とは

審判とは家庭裁判所で行われる手続きの一種で、当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官が行った調査結果等に基づいて裁判官がトラブルに対する判断を下します。

「調停」や「裁判」との違い

裁判所で行われる代表的な手続きとして、審判以外に「調停」と「裁判」があります。

「調停」は裁判官・調停委員が関与しつつも当事者間の話し合いによって解決を目指す手続きになり、話し合いがまとまらない場合は「不調」として最終的な決定を行わずに終了します。

「裁判」と「審判」は「裁判官が最終的な判断を下す」という点においては似ていますが、「裁判」は法廷にて口頭弁論という形で当事者双方が主張・立証を行い、それに基づいて裁判官が判決を下します。

それに対して、「審判」はプライバシー保護のため非公開で行われ、状況によっては当事者双方の主張だけでなく裁判所独自の調査等に基づいて判決を下す場合もあります。

離婚調停の仕組みや流れなどを紹介しています。

遺産分割調停における弁護士費用の詳細を紹介しています。

どのようなときに審判が行われるか

審判は主に2種類の家事事件に対して行われます。

1つ目は「子の氏の変更許可,相続放棄,名の変更の許可,後見人の選任,養子縁組の許可」など、家庭裁判所が国家の後見的な立場から関与するものです。

これらの事件は当事者同士が対立して争うようなものでは無いため、審判によって判断を下されるのが一般的です。

2つ目は「親権者の変更,養育料の請求,婚姻費用の分担,遺産分割」など、当事者間に争いがある家事事件で、この場合はいきなり審判手続が行われるのではなく、まずは当事者間の話し合いでの解決が望まれるため調停が申し立てられるのが一般的です。

調停が成立しなかった場合に審判手続に行こうし、審判によって最終的な判断が下されます。

審判の中でも「労働審判」については、労働者と事業主の間のトラブル解決手段のため、家事事件ではなく民事事件として扱われ地方裁判所で手続きが行われます。

労働審判も通常の審判と同様に非公開で行われ、また原則として3回以内の期日で審理を終えることになっているため通常の訴訟と比べて迅速な解決が期待できます。

審判にかかる費用の相場 | 自分でやると?弁護士を雇うと?

審判にかかる費用金額
収入印紙数千円(当事者数による)
予納郵便切手数千円(当事者数による)
必要書類の取得費用数千円(当事者数による)

自分自身で審判に関する手続きを全て行うと費用は数千円~1,2万円程度に収まる場合もあり、多額の費用がかかるということはありません。

ですが実際には当事者だけでなく弁護士が関与する場合も多く、審判ではなく調停に関する統計にはなってしまいますが、調停時に当事者のどちらか、または双方に弁護士がついた割合が、2024年度の統計では離婚調停は61.5%、遺産分割調停は80.5%となっています。

審判にかかる弁護士費用金額
法律相談料5,000~10,000円 / 1時間(無料相談の事務所あり)
着手金10万円~30万円程度
報酬金得られた経済的利益の10~20%
実費数万円

当事者間で争いのあるトラブルについては、自身の望んだ通りの判決を得るためにも弁護士への依頼も検討するべきでしょう。

弁護士へ依頼する際にどのような費用が発生するか紹介しています。

審判の事例における実際にかかった費用

審判における費用の相場は、どのような問題に対する依頼かによって異なります。

いくつか例を挙げて紹介していきます。

離婚審判

離婚調停を行ったが不調に終わり、離婚条件の食い違いが僅かだったため離婚審判に進んだケース

最終的に「毎月4万円の養育費の支払いを夫側が受け入れる」という内容で審判成立となった

法律相談料1万円 / 1時間
着手金20万円
成功報酬金20万円(離婚成立+養育費2年分の10%)
実費2万円
合計43万円

離婚審判における弁護士費用の詳細を紹介しています。

遺産分割審判

相続する不動産の分割方法について遺産分割調停を行ったが不調に終わり、遺産分割審判を申し立てたケース

最終的に「不動産を換価分割して、その代金(3000万円売却された)を兄弟2人で分ける」という内容で審判成立となった

法律相談料1万円 / 1時間
着手金30万円
成功報酬金170万円(経済的利益の10%程度)
実費2万円
合計203万円

遺産分割審判における弁護士費用の詳細を紹介しています。

労働審判

自身の業績不振を理由に従業員が企業側から解雇され、不当解雇であるとして労働審判を申し立てたケース

最終的に「給与3ヶ月分(30万×3=90万円)を企業側が支払うことで従業員は解雇を受け入れる」という内容で調停成立となった

法律相談料1万円 / 1時間
着手金10万円
成功報酬金9万円(経済的利益の10%)
実費2万円
合計22万円

労働審判における弁護士費用の詳細を紹介しています。

審判にかかる費用は誰が払う?払えない場合は?

弁護士などの専門家を雇わなかった場合、審判にかかる費用は数千円~1,2万円程度ですが、これは原則として審判を申し立てる側(=申立人)が支払うことになります。

収入印紙代・切手代・必要書類の取得費用など、実際にかかる費用はケースごとに異なるため注意が必要です。

審判にかかる費用が払えない場合は?

審判にかかる費用のうち、弁護士を雇うと弁護士費用は非常に高額になる場合があります。

一般的には「法律相談料」は最初に相談をしたタイミングで、「着手金」は実際に弁護士が案件に取り掛かるタイミングで、「報酬金」はトラブルが解決したタイミングで支払うことになります。

また、既に着手しているにも限らず費用が支払えなくなった場合、「案件の処理の終了」、「弁護士の辞任」、「差し押さえなどによる法的手段」が発生する可能性があります。

特に弁護士を雇う場合は、予めどのくらいの金額が必要になるか、またそれを払うことができるかも確認をしておきましょう。

弁護士へ依頼した場合に発生する費用について解説しています。

以下で、弁護士費用が支払えない場合の対処法もご紹介します。

分割払いや後払いできる法律事務所の利用

前提として、弁護士に支払う着手金を無料にすることは難しいですが、分割払いや後払いに対応可能な法律事務所はいくつかあります。

また、依頼する事件内容によって分割払いの対応をしてくれる法律事務所もあります。まずは問い合わせだけでもしてみましょう。

注意点として、上記でも紹介したように着手した後に分割払いや後払いの支払いが滞ると差し押さえなどの法的手段が発生する可能性もあるので注意しましょう。

弁護士保険に加入しておく

弁護士保険とは、法的トラブルが発生した際の弁護士費用を補償してもらえるものです。

弁護士保険によって補償されるのは主に法律相談料・着手金・報酬金です。(保険会社によって異なることもある)

弁護士保険会社によって異なりますが、例えば「弁護士保険ミカタ」の場合は月額の保険料2,980円で着手金が80%補償されます。

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弁護士保険とはどのようなものか詳細を紹介しています。

審判の費用を相手に請求することはできる?

調停や審判にかかる費用は基本的には申し立てる側(=申立人)が負担することになっています。

また、弁護士を雇った場合の弁護士費用については判決内容にかかわらず原則として相手に請求することは出来ません。

例えば「敗訴した側が相手方の弁護士費用を支払う」などは一見正しく感じられますが、「もし負けたら相手の弁護士費用も支払わないといけないのなら…」と裁判所の利用を思いとどまってしまう可能性があります。

そのため、法律で定められた諸費用については相手方への負担が認められる場合もありますが、弁護士費用については原則自己負担となっています。

不法行為があった場合は相手側に弁護士費用も請求出来る場合があります。ですが、その場合も弁護士費用全額を請求できるわけではなく、損害賠償額の一割程度(損害賠償として100万円が認めれれたら10万円分)を限度に認められることになります。

弁護士保険に加入すると民事裁判における弁護士費用が補償される

上記でも少し触れましたが、もし弁護士保険に加入していれば審判における弁護士費用が補償されます。

補償されるトラブルの範囲も広く、「離婚問題」、「相続問題」、「交通事故」「労働問題」などによる法的トラブルの際の弁護士費用が補償されます。

基本的に弁護士保険は個人が直面したトラブルの弁護士費用を補償するものですが、近年では事業者向けの保険もあるので加入していれば事業者が直面するトラブルも補償されます。

弁護士保険の補償範囲と割合について詳細を紹介しています。


現状で弁護士保険の種類はいくつかあり、月額の保険料や補償割合、他にも付帯サービスや特約などがそれぞれ異なります。

当サイトでは、おすすめの弁護士保険のサービスや月額料金などを比較しているので、弁護士保険への加入を検討している場合はチェックしてみてください。

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まとめ:審判とは?かかる弁護士費用は?

この記事のまとめはこちらです。

  • 審判とは家庭裁判所で行われる手続きの一種で、プライバシー保護のため非公開で行われ、状況によっては当事者双方の主張だけでなく裁判所独自の調査等に基づいて判決を下す場合もある。
  • 審判にかかる費用は「収入印紙:数千円」「郵便切手:数千円」「必要書類の取得費用:数千円」ではあるが、弁護士を雇った場合はさらに「相談料」「着手金」「報酬金」なども発生し高額になる場合がある。
  • 審判にかかる費用は申立人が支払うことになっており、各自が弁護士を雇った場合はその弁護士費用は判決の内容にかかわらず雇った本人が負担し相手に請求することは出来ない。

弁護士への相談を検討している場合は、弁護士保険の加入がおすすめです。下記から、弁護士保険の比較することができます。

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